自殺への契約書のレビュー・感想・評価
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この時代にTVでプロレス中継があったという驚き
晩餐会を主催したのは邸宅の主人ピカール。ブティックを経営するマリー、そして神父となっていたル・グバン、弁護士のシモノー、印刷屋のルジェ、錠前屋のブランシェ、官吏、元プロレスラー、医者のチボーなどなど・・・ 勇敢同盟なるレジスタンスを組織していて、ロンドンから支援を受けていた彼ら。終戦間近だというのにいきなり独軍が押し入ってきて、リーダーのカスティーユが銃殺されたのだ。それを15年経った日に、密告した者がいることが判明し、その犯人に遺書を書いて自殺してもらおうと計画を立てたのだ。 1944年8月のある日、彼らが会合を開くためにピカールの邸宅に集まっていたのだが、欠席者も2人いたし、逃げるために散らばり森の中で落ち合った。戻ってみるとカスティーユが殺されていたという状況を再現しようとする10人とピカール邸の婆や1人。ロンドンからの資金を横領した者がいて、それが犯人だと憶測する面々。しびれを切らしたかのように、犯人だと思う人を投票したり、弁明したりと徐々に疑心暗鬼にとらわれる面々。最初は弁護士、そして印刷屋、マリー、婆やといった具合に疑いの目を向けられるのだった。 紅一点のマリーと恋愛についてが議論の的となり、犯人がわかった段階でも神父が「自殺強要は殺人と同じ」だと主張したり、会話劇の面白さが伝わってくる。そりゃそうだ!と思いながらも誰もが決断できずにいる・・・という内容。最後の決断は、それしかないと思えるものだったけど、二転三転するストーリーは記憶に残りそうだ。
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