劇場公開日 2024年4月19日

  • 予告編を見る

「いつの時代も同じ・・・」死刑台のメロディ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いつの時代も同じ・・・

2025年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 実際にあった「サッコ・ヴァンゼッティ事件」。史実を知っていて、アメリカのいい加減な司法制度、社会主義者・共産主義者に対する弾圧のむごさを理解していると、それほど驚かされることはない。純粋に映画の完成度を見ると、ほとんどがイタリア語のために違和感があるし、裁判が始まる前のシーンがチグハグでややこしいのだ。しかし、冤罪、移民・思想差別、権力の汚さを映像でここまで見せ付けられると深く考えさせられ、二人の個性に感動せざるを得ない。そして現在の日本においてもこうした捏造事件は未だに見られることも忘れてはならない。 最後のバーとの熱弁と、「信念は焼き尽くせない」というサッコ言葉が忘れられない。

 ちなみに、アナーキストなんて支持するわけにはいかないが、広く見れば、政府に反対意見を持つ者全てが対象となるわけで、現在であれば、戦争反対を唱えただけででっち上げ事件に巻き込まれる可能性があるということだ。

(2004年鑑賞)

kossy