「誰も私たちを離せないわ」死刑台のエレベーター(1958) mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
誰も私たちを離せないわ
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ルイ・マルが25歳の時に撮った作品だというから、それだけで鳥肌立ってしまいます!
洗練された映像とマイルス・デイビスのサックスが都会に切なく響き渡ってお洒落。完成度高すぎ。
有名な映画なので、何度もテレビなどで放映されているでしょう。大昔、まだ、子供だった頃に観たような記憶が。でも、ほとんど覚えていません。大人になって改めて観ると、ジャンヌ・モローのめらめらと燃えるような情念に圧倒されてしまいました。「怖くなってやめたのかしら」とあれこれ思いを巡らしながら、何時間もジュリアン(モーリス・ロネ)を探し続けるフロランスの執念。
完璧に事を済まして、フロランスに逢いに行こうと車に乗り込んだジュリアン。ロープをそのままにしてあったことに気づき、ビルに戻ったもののエレベーターに閉じ込められてしまいます。この圧迫感と閉塞感。閉所も高所も怖い自分はこのシチュエーションだけでドキドキしました。
花屋の店員娘と不良の彼氏がジュリアンの車を盗み逃走。この展開が本筋に絡んでいき、ラスト、写真の現像で二つの殺人事件が浮かび上がるところが上手いですねえ。モローの愛のささやきから始まり、愛の独白で終わりますが、フロランスとジュリアンは映画では一度も顔合わせしていないのです。しかし浮かび上がってきた写真には二人の幸せそうな姿が。ああ憎い演出。
リノ・バンチュラの出番で一気に展開が引き締まります。ジャン・クロード・ブリアリ(いとこ同士の人)もちょこっと出てます。
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