サンライズのレビュー・感想・評価
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サンライズ
トリュフォーの言うとおり、やっぱり「世界一美しい映画」だった!
知らない内に、泣いてましたよ。あれ、この映画終っちゃうんじゃないか?と思ったのが、始まって45分くらいの所。しかし終らない・・・
なるほどこの映画もフィルムノワールの原型みたいじゃないか?ハリウッドで撮ってしまった紛れもないドイツ表現主義映画であることを示した冒頭シーン・・・舞台は「哀愁の湖 ('45)」か或いは「陽のあたる場所 ('51)」(どちらの作品の湖畔での殺人シーンもこの映画のイメージが原型にあることはまず間違いあるまい)を彷彿とさせる田舎の湖畔を舞台にした薄暗い危ない世界から始まる。都会から来た女に誘惑され、唆されて、自分の妻(ジャネット・ゲイナー)を殺しかけたものの殺せなかった夫(ジョージ・バンクロフト)。そんな夫から逃げた彼女が、森の中を走り抜けて飛び乗ったのは、こんな湖畔の起伏ある斜面にイキナリそんな市電が走ってるのかと思うようなトローリー・・・彼女を追いかけて来た夫も飛び乗って・・・・・後は動かない二人の姿をじっと前景に捉えたまま、バックの風景だけが田舎から大都会へと延々と移り変わっていく。この尋常では無い天才ならではの強烈なイメージの連続にただただ圧倒されている内に、都会の喧騒の中で互いの絆を次第に再確認にし合う二人。ようやく己の過ちに気付いて懺悔する夫を許す妻・・・若いカップルの教会での結婚式の光景にたまたま出くわすシーンでは、劇的な頂点に達し・・・これもう終わっちやうんじゃないかって思っていると、またまたそこから唐突にタッチが変わって、今度は都会調のユーモアたっぷりの恋愛劇(正真正銘のアメリカ映画)に変貌していってしまう!・・・映画を観ているこちら側も主役の二人と共に束の間の幸福な大都会での夕べを共有するかのようにスッカリ心地良い気分に陥ってしまう程である。
いよいよ終わりかな?なるほど。また市電に乗って、それから夜の湖畔を静かにボートを漕いで渡りつつ、行きと帰りの全く同じ道程を、ここまでかって思う程に明暗異なるタッチで対比的に撮って、人生を照らし出す!ああ見事だなあ!!これで終わりだな!メデタシメデタシって安心していた矢先・・・今度は唐突に、暴風雨がやって来て大都会も湖上も共にパニック状態に陥ってしまい。
と言う訳で、二重三重四重五重の盛り沢山さで、余りにも異なるタッチのシーンが次々と折り重なり・・・フィルム・ノワール、恋愛劇、都会調コメディ、スペクタクル・・・そんなジャンルを逸脱した様々なイメージがどう言う訳か不思議と見事に共存しながら、連携し合い、誰もが納得し得る感動のラスト・シーンへと導びかれていく。結局のところ、圧倒され続け、僅か95分の上映時間の内の忘れようの無い強烈なイメージの数々は、もう映画とはこれ!!これ以上はその後の80年間にも及ぶ映画の歴史の中で、誰も何も成し得なかっただろう!と言わんばかりに、サイレント映画時代に既に完成し尽くされた映画の文法、文体、美学の全てを芸術とエンタテイメントの要素を強引にもゴチャマゼにしつつ、全てを炸裂させた永遠不滅の大傑作である。
映画製作の教科書
サイレント映画の最高峰の一本‼️
今作は多分、数あるサイレント映画の中でもベスト10に入るくらい大好きな作品ですね‼️この作品くらい清らかな心、魂が描かれ、わかりやすい作品もないでしょう‼️農村に暮らすある男が、心優しい妻がいながら、都会的な女に惹かれる。女にそそのかされた男は、妻をボート遊びに連れ出し殺そうとするが果たせない。街に繰り出し、二人で歩きまわるうちに、二人の間に愛が戻る。しかしその帰り道、思いもかけぬ事故が・・・‼️ボートの上での悪魔の形相の男、自らの恐ろしさを痛感する男、怯える妻、悲しみ涙を流す妻、そんな二人のカットバック、二人の気持ちの融けあう描写、都会の女が男を誘惑する口笛、サイレント映画なのに口笛の恐ろしい音が聴こえてきそう‼️ジョージ・オブライエンのサイレントの名演技、ジャネット・ゲイナーの可憐さがホントに印象的‼️あまりにもジャネット・ゲイナーが美しすぎて、彼女を殺そうとする夫という設定自体が無理があるのかもしれません‼️F・W・ムルナウ監督による光と影の美しい映像、シーンも素晴らしく、沼地での散歩、湖のさざ波、森を抜けて都会へと走る路面電車、無数の車が行き交う大通り、二人がダンスを踊るシーンの高揚感、ボートに乗った二人を嵐が襲うスペクタルまで、様々な描写で綴られる二人の愛の再生の物語は、あまりにも映像もストーリーも美しすぎて、サイレントであることを忘れてしまうくらいですね‼️
土地を売って都会に行こう
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