三十四丁目の奇蹟(1947)のレビュー・感想・評価
全2件を表示
【子供の夢を叶える事が大事と信じる”サンタクロース”が起こした数々の奇蹟を描いた作品。今作は信じる事の大切さを伝えるヒューマンファンタジックな多幸感溢れる逸品なのである。】
■ニューヨークの有名デパート、メイシーで、客寄せのサンタクロースとして雇われた白ヒゲの老人、クリス・クリングル(エドマンド・グウェン)。
彼は子供達が目をキラキラさせて自分に告げるプレゼントのお願いを聞き、それがライバルのギンベルズの製品でも勧めるのである。
そんな、損得を越えたクリングルのサンタは世間の評判を呼ぶが、彼は「自分は本物のサンタだ」と主張する。
周囲が困惑するなか、ついには最高裁判所で”彼が本当のサンタかどうか”の裁判が開かれることになる。
◆感想<Caution!内容に触れています!>
・当初、ドリス・ウォーカー(モーリン・オハラ)は、サンタを信じる娘スーザンに対し、サンタはいないと説明しようとする。
あくまで、彼女はメイシーの売り上げを上げるための道具として、クリングルを雇うのである。
・だが、自分がサンタであると疑わないクリングルは、子供達の願いを叶えるために、メイシーの利益などを考えずに、ライバルのベンギルズの製品を勧める事で、逆にメイシーは評判を上げるのである。
■面白いのは、そして意味深なのはクリングルの立派な白い豊かな口ひげが本物である所である。オランダ語しか話せない女の子にも、流暢なオランダ語で愉しそうに話すのである。
そして、そんなクリングルを偽物として決めつける精神科医のソーヤー。
だが、最高裁での面白き裁判の中での遣り取りの中で、判事の息子が堂々と”サンタは居ます!”と言って指さすクリス・クリングル。
■爽快なのは、クリス・クリングルの弁護に立ったゲイリー(ジョン・ペイン)が、郵便局がクリス・クリングルに当てた只、”サンタさんへ”と書かれたハガキ、手紙が山のように裁判所に持ち込まれるシーンであろう。
更には、恋に落ちたゲイリーとドリス・ウォーカーが用意した、スーザンの希望通りの家に入った時に置かれてあった杖を見つけた時の二人の驚いた顔と、満面の笑顔のスーザンの表情である。
<今作は、利益優先のキビシイ仕事をする中で、信じる事や夢を忘れつつある私も含めた大人が観ても、多幸感に浸れるヒューマンファンタジックな多幸感溢れる作品なのである。
夢みる事って、幾つになっても大切な事ではないかな、と私は思うのです。>
全2件を表示