「サンタはすでにコマーシャリズムを否定してる」三十四丁目の奇蹟(1947) Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
サンタはすでにコマーシャリズムを否定してる
私はサンタクロース存在すると小学5年生ごろまで思っていた。スーザン(ナタリーウッド)はすでに信じていない。現実的で御伽話を信じないの母親に育てられている。それに母親は当時、主婦の存在が多いのにメーシーズで経営者であるメーシーズの元で働いている。当時のメーシーズでは男の店員が多い。1945 年、戦後一斉に男が戦場から引き上げてきたので職場はおとこのせかいになっていったようだね。そこで紅一点のように見えるが働いているスーザンの母親。こうなるのには夢物語は言っていられないというような力強く賢い母親。しかし、向かいの弁護士のフレッドやサンタクロースのお陰で人間の心を大切にする、そして、想像力のある情操教育を学んでいく。
日本の小さな田舎で育ち、毎年、12月になると、母と弟ともみの木の枝を切りに山にはいり、家に帰って、大きな鉢に植え、周りに「やぶこうじ」という小さな赤い実をつけている植物を植えて、クリスマスを過ごす。サンタが枕元にプレゼントをおいてくれるのが、楽しみでなかなか眠れなかったのを覚えている。
当時のニューヨークには大都会で驚くね。購買力や物の豊富さ、それに商戦。またそれらをユーモラスにコメディタッチで表現できるこの映画制作力。サンタクロースはすでにコマーシャル化したクリスマスが社会を変えていってるのを否定して「子供のためにのクリスマス」を教えているようだ。米国ニューヨークの11月下旬のメーシーズ感謝祭パレードからクリスマスの日までを映した映画を観ると、敗戦後を映した、例えば、黒澤明の映画の世界とはイメージが違いすぎるね。あまり子供の希望が見えてこない映画とコメディタッチで、ロマンチックで、現実的でもあり、理想的でもある、先が見られる映画制作力の違い。スーザン、母親、弁護士のフレッド、などの出演者の見解がおかしくて、大笑いして観た。
この映画はいくつかのバーションがあるがナタリーウッドの子役の時が好きなのでこれを観てレビューを書いた。