「元007/危機一発。 とりあえず爆発させときゃいいと思ってんだろベイ!💥その通りだぞベイ!!💥💥」ザ・ロック たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
元007/危機一発。 とりあえず爆発させときゃいいと思ってんだろベイ!💥その通りだぞベイ!!💥💥
クーデターを起こし、神経ガスを搭載したミサイルと人質を盾に取りアルカトラズ島に立て篭もる海兵隊たちに、FBIの科学者グッドスピードと脱獄の達人メイソンが挑むアクション映画。
監督は『バッドボーイズ』のマイケル・ベイ。
FBIに所属する化学兵器のスペシャリスト、スタンリー・グッドスピードを演じるのは『ワイルド・アット・ハート』『リービング・ラスベガス』の、オスカー俳優ニコラス・ケイジ。
アルカトラズ刑務所からの脱獄を成功させたただ1人の男、ジョン・パトリック・メイソンを演じるのは『007』シリーズや『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の、レジェンド俳優サー・ショーン・コネリー。なお、コネリーは制作総指揮も務めている。
クーデターの首謀者、フランシス・X・ハメル准将を演じるのは『ザ・ファーム/法律事務所』『アポロ13』の、名優エド・ハリス。
音楽は『レインマン』『ブラック・レイン』の、巨匠ハンス・ジマー。
なんと言っても「オヤジ力」の映画である。ニコラス・ケイジ、エド・ハリス、そしてショーン・コネリーというド迫力の顔面を持ったオヤジ3人が並ぶメインビジュアルからしてすでに絶大なインパクトを放っているのだが、本編もこのビジュアルに相応しい迫力満点な…というより迫力だけで構成されているような作品となっている。
女性登場キャラクターはほぼ0。オヤジ達が汗と粉塵に塗れながらそれぞれの使命を果たすために奔走する。この男臭さが堪らないっ!
「ハリウッドの爆破王」ことマイケル・ベイは本作でもその資質を遺憾なく発揮。アクションシークエンスでは常にどこかしらで爆発が起こっている。めちゃくちゃ火柱が上がっていたが、手榴弾ってそういう武器なの?
最大の見せ場は中盤のカーチェイスシーンだろう。脈絡も無ければストーリーにも全く関係がないにも拘らず、異常なテンションと火薬量で繰り広げられる逃走劇。トラムが特に意味もなく大爆発するのだから、そりゃもうこっちも大爆笑するしかない。めちゃくちゃだこの映画💦
ドン・シンプソン×ジェリー・ブラッカイマー×マイケル・ベイという座組なので、当然の様に物語は大味である。突入部隊は全滅するわミサイルは発射されるわ爆弾は落っことされちゃうわ、基本的に全ての作戦が間に合っていない。民間人に死者が出なかったのは奇跡としか言いようがない。
ハメル准将は一本筋が通った人物として描かれているのだが、ギリギリのところでクーデターを投げ出しちゃうのはいかがなものか。そりゃ部下が謀叛を起こすのは当然だろう。
脚本のリライトにクエンティン・タランティーノが参加しているという話だが、一体何を書き直したんだ…?
一から十まで出鱈目な映画だが、間違いなく面白い!
アクションに次ぐアクションで息つく暇すらないし、その画力の強さには否応なくテンションを上げられる。役者陣も素晴らしく、特に満を持して登場するショーン・コネリーの存在感には舌を巻いた。コネリーが演じるメイソンって人、絶対に「殺しのライセンス」を持つあのスパイと同一人物ですよね…。
中盤くらいまでは「こんなに面白い映画が存在して良いのか!?」と言いたくなるくらいには楽しませてもらった。もう完璧✨
ただ、この手のアクション映画で130分オーバーというのはちょっと長すぎる。後半になってくるともうお腹がパンパン。ぜんぜん映画が喉を通らない。
もう少しタイトに、せめて100分くらいに纏められていれば、満点に近い評価を出しても良かったと思う。とにかく面白いあれやこれやを詰め込もうというサービス精神はありがたいのだが、これはちょっとやりすぎだぞ!
最後に、この映画の吹き替えは超最高♪
ショーン・コネリーを若山弦蔵、ニコラス・ケイジを大塚明夫、エド・ハリスを柴田秀勝が吹き替えるというバチバチにガチな人選で、もう嬉ションしてしまう程にお耳が幸せなのでした😊
…にしても、大塚明夫さんはどっかにスニーキングする役ばっかり声を当ててんのね。