サルバドル 遥かなる日々

劇場公開日:1987年10月17日

解説

4つの大陸の戦線で報道取材に命を賭けた男の姿を描く。製作はジェラルド・グリーン、エグゼクティヴ・プロデューサーはジュン・ダリーとデレク・ギブソン、共同製作・監督は「プラトーン」のオリヴァー・ストーン、脚本はストーンとリチャード・ボイル、撮影はロバート・リチャードソン、音楽はジョルジュ・ドルリュー、編集はクレール・シンプソンが担当。出演はジェームズ・ウッズ、ジェームズ・ベルーシほか。

1986年製作/122分/アメリカ
原題または英題:Sarvador
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1987年10月17日

あらすじ

フォト・ジャーナリストのリチャード・ボイル(ジェームズ・ウッズ)は、サンフランシスコのアパートを追い出され、しかもスピード違反と免許証不所持から刑務所に入れられてしまった。その刑務所で失業中のDJドクター・ロック(ジェームズ・ベルーシ)と知り合い、彼と共にサルバドルへの旅に出る。エル・サルバドルに入った2人はいきなり殺されそうになるが、ボイルがフィゲロア大佐(ジョルグ・ルーク)を知っていると話したことから死を免れた。が、大佐に会うはめになる。彼は“セデューラ”(出生証明書兼投票用紙)を持たずゲリラのシンパである可能性をもつ学生は処刑してしまうという怖ろしい人物だ。80年における不安定なエル・サルバドルの政情について知る2人。軍隊はマクシミリアン・カサノヴァことマックス少佐(トニー・プラナ)が動かす“死の分隊”と左翼のゲリラの双方に分裂、政府議会は、何の力ももっていなかった。リベルタドでかつての恋人マリア(エルペディア・カリロ)と再会し海岸の家で共に暮らし始めるボイル。首都サン・サルバドルでフォト・ジャーナリストのジョン・キャサディ(ジョン・サヴェージ)と出会い、ボイルの中に忘れられかけていた、生と死の感慨が甦ってきた。ゲリラについての取材を思いついたボイルはそのための準備を開始する。しかし、マリアの15歳の弟カルロスが行方不明になり、カルロスを救うために、ボイルとマリアの結婚が必要となる。式の途中マックス少佐の放った刺客に大司教が銃で撃たれ、記者会見でマックス少佐に対して大胆な質問を浴びせたボイル。その結果カルロスが殺され、ショックを受けたマリアは彼の許を去っていった。“死の分隊”の残虐さはエスカレートしてゆき、その殺人が政府にからんでいること知ったアメリカ大使のトム・ケリー(マイケル・マーフィー)は合衆国のすべての軍事援助を打ちきった。やがてサンタ・アナでマルティが指揮するゲリラ軍が蜂起。ケリーに政府軍への援助が再開されフィゲロア大佐の車は逆襲にでる。銃撃に倒れたキャサディは、最後に撮ったフィルムをボイルに託す。マリアと再会し彼女らとサンフランシスコに向かうボイル。一度難関を突破する彼らだったが、再び足どめを余儀なくされる。そしてマリアたちが違法入国者とみなされ、別れねばならないのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

映画レビュー

4.0 映画史上に残るやけくそ演技

2011年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、DVD/BD

泣ける

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
しんざん

4.0 ストーンの隠れた傑作

2025年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

悲しい

怖い

驚く

エルサルバドル内戦というやや日本人にはマイナーな題材を扱ってるところに興味を持って観た。この頃の前後には米国はニカラグア内戦にも介入したり、米軍がグレナダやパナマに侵攻したりしていた。

米国人フォト・ジャーナリストのリチャード・ボイルが、エルサルバドル内戦を取材した際の実体験を描いた小説の映画化とのことで、ボイル自身とストーンが脚本を書き、主演のジェームズ・ウッズがボイル自身を演じている。ストーンが『プラトーン』より前に撮った映画だがヒットはしなかったようだ(日本での公開も『プラトーン』より後になった)。だが出来は間違いなく『プラトーン』より上だろう。

ちょっといい加減な報道カメラマンが金と特ダネを求めて内戦下のエルサルバドルに来てみれば、右派の政府軍と左派の反政府ゲリラが凄まじい戦闘を繰り広げており、そこには米国政府も介入していた。政府軍は人権派のロメロ神父を暗殺し、ボランティアのシスターたちも殺害するなど非道の限りを尽くす。怒りに目覚めたボイルは……というストーリー。途中で安全圏から取材しながらボイルを小馬鹿にする米国大手テレビ局の女性レポーターにムカついたボイルが、女性レポーターの飲み物にドラッグを入れてレポーターが中継中にハイになっちゃうところが笑った。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
バラージ

3.5 ジャーナリズム<戦争の悲惨さ

2023年9月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

どこまで実話で、何処から脚色なのか

前半はやや冗長気味でいつになったら彼が本気を出すのか、

そしてその日から彼は人が変わったかのように戦地で撮り続け、いずれ破滅か、或いはハッピーなラストを想像させる。

結局そのような都合の良いことは起こらない。

ただ悲惨さが残るなんとも言えないラスト。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ho

3.0 ストーリーは追わないこと

2022年9月30日
PCから投稿

アメリカ人には馴染みの事件なので、知ってる前提で撮られてます。
普通の日本人は知らないので、次々出てくる人物がどっち側で何を目的にしているのかはサッパリわかりません。ただし、ストーン選手お得意のメッセージ性の強い作品なので、ルポ風の演出による不条理、悲惨、救いの無さを体感すればよいでしょう。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
越後屋

他のユーザーは「サルバドル 遥かなる日々」以外にこんな作品をCheck-inしています。