劇場公開日 1996年10月26日

「全てを失った男が暇を持て余して暴走するが、怖さは平凡」ザ・ファン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5全てを失った男が暇を持て余して暴走するが、怖さは平凡

2016年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

総合70点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )

 元々自己中心的で攻撃性が強くて独りよがりの男が、その性格ゆえに家族を失う。こんな男でも普通に社会人でいるうちならば職場のちょっと困ったやつくらいで済んだのかもしれないが、職を失ってしまえば自分勝手な思い込みを制御できず持て余す時間を使って暴走を開始する。主人公の人物設定とその暴走の過程はまずまずうまく描かれていた。
 だが異常心理からくる異常な行動がじわじわと迫ってくる怖さという点において、過去のデニーロの『ケープ・フィアー』ほどのものはない。たとえ静かな場面でも次の一瞬に何が起きるのだろうかと思わせてしまう迫り来るものはやや弱い。それほど悪いわけではなかったが、けっこうあっさりと話が進んでいったのに物足りなさもあった。

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Cape God