サスペリア(1977)のレビュー・感想・評価
全6件を表示
古典的サスペンス
古い映画だけに、映像の古さやシーンの繋がりの悪さを感じました。ちょっと判りにくいところもあった。それはそれで古さを楽しむ気構えで観る必要があるかもしれません。
ホラー映画という位置づけですが、ホラー要素は最後だけ。つまり、ホラーの無いサスペンスでも成立したのではないかと思います。タイトルが「サスペリア」というだけに。
魔女が織りなす物語ではあるものの、それまでの残酷な殺戮シーンは現実でも可能な物ばかり。魔女を名乗るものの、その力は超常現象ではなく現実の範囲内で十分可能。そして動機はオカルト信仰。そういうオチでも成立したかもしれないし、そんな結果でも面白かったかも知れません。主人公もその瞬間まで現実の事象でしかないと考えていたでしょう。でもそれは選択肢の一つでしかなく、最後のシーンのおぞましさを演出する上で、ホラー映画としたのも良い選択だったと思います――ちょっと偉そうな感想でごめんなさい。
やっぱり映像が古いな。古いのは古いけど、主演の女優、ジェシカ・ハーパーさんが今でも通用する美人さんで、とても魅力的だった。笑顔が観れたのが最後の瞬間だけなのは、ホラーなサスペンス映画なので仕方ないですね。
イタリアンホラー
1977年作 「サスペリア」Suspiria
『決してひとりでは見ないでください・・・」が
キャッチコピーでしたね。
初めて劇場で観たホラー作品です。
監督は、ダリオ・アルジェント
ヒロイン、スージー・バニオン(ジェシカ・ハーパー)が
ドイツのバレエ学校に入学する為
NYから到着。
オープニングの空港のシーンから
不気味な雰囲気で
空港の外は、どしゃぶりの雨
もうそれだけで恐怖が増す感じです。
タクシーで、バレエの名門校に到着すると
女生徒パットが怯えながら出て来て
「青いアイリスを回して・・・扉の陰に秘密が・・」
追い返されたスージーが
翌日、学院を訪ねると
現在海外旅行中という校長の代理の
副校長マダム・ブランク(ジョン・ベネット)と
厳格な主任教師ミス・タナー(アリダ・バリ)が出迎えてくれるが
入学初日に 体調がおかしくなるスージー
学院の生徒のひとり サラ(ステフォニア・カッシーニ)と
仲良くなり 学院の様子を知ってゆくことに・・・
そして、学院の秘密を暴こうとするスージー達に
魔の手が迫り・・
アルジェント監督作品は、映像美が有名で
この作品は、「赤」を基調とした演出で
学院の館の色も赤でした。
息を呑む残酷シーンもりますので
ご注意を・・(^▽^;)
ゴブリンの演奏した音楽も
恐怖映画の音楽とは思えないほどの美しいメロディ
それも、強く印象に残っています。
ゾクゾクザワザワ
魔女三部作第1作。
レンタルDVD(4Kレストア版)で鑑賞(字幕)。
キャッチコピーでは決してひとりで観ないでと謳っていましたが、ひとりで鑑賞。観ている間、ずっと心も体もゾクゾク、ザワザワしていました。否応無しに不安を高めて来る巧みなBGM。赤の派手さが禍禍し過ぎる学院のデザイン。思わず顔が引き吊る恐怖描写。…どれを取っても素晴らしく、言ってしまえば不快の極み。特に蛆虫にヒェーッ(笑)。
周囲で次々と不可解なことが起こるも、本格的に主人公のスージー(ジェシカ・ハーパー)が事件と向き合い始めるのは終盤間近であり、珍しい構成だと思いました。
それにしても、被害者たちの死に方のエグさ、堪らない。グロ趣味全開でした。滅多刺しからの天窓突き破って首縊り、盲導犬に食い殺される、鉄条網血まみれ地獄…ギェーッ(笑)。
エンドロールに被り続ける学院の火災に飲み込まれる人々の悲鳴、耳に残って離れません。ホラーをあまり観ないせいか、全体的にトラウマ過ぎて、もう二度と観ないかもしれません。
※修正(2024/06/06)
ひとりで見に行きました
深夜の空港で降り立ったシーンがなぜだか一番印象に・・・嵐になっているタクシー乗り場でようやく拾ったタクシーは英語がなかなか通じない。「決してひとりでは見ないでください」という当時のキャッチコピーが独り歩きしているほど有名な映画だったが、今見るとしょぼくて信じられない・・・
スージーが到着した夜にパットという生徒が何者かによって惨殺。夜遅かったために宿舎に入れてもらえなかったが、パットが叫んだ「秘密」という言葉が気になっていた。血の色は赤というより朱色。殺害現場は朱色を基調とした部屋にマッチしたかのような凄惨な死体に仕上がったのだ。後半は赤、青、緑、黄色などの光の原色が使い分けられている。まるで照明の極彩美だけで映画を語ってるかのように・・・
第二の殺人までにうじ虫の恐怖が描かれているのですが、これも怖いシーンの一つ。そしてゴブリンの金属感のある音楽なんてのも評価すべきものの一つ、かつての有名な魔女ヘレナ・マルカスが生き残っていた!とか、それをいとも簡単に殺してしまうスージーは最高でした・・・
それにしても、うじ虫はいったい誰が仕組んだものなのか・・・謎は解明されてない・・・オカルト殺人はしょうがないとしても。
決して、ひとりでは見ないでください?
公開当時「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチコピーや1000万円のショック保険などの話題で有名になったダリオ・アルジェントのホラー・ムービー。
しかし、公開から30年以上が経過し、こちらがすっかり残酷描写に慣れてしまったせいなのか、魔女伝説といっても日本人にはピンと来ないせいなのか、恐怖はほとんど感じられなかった。
バレエ学校の外観や廊下の赤、ネオンの赤、血の赤(ただし、この赤は朱赤に近くていかにも作り物っぽいので萎える。本物の血はもっと赤黒い)など、“赤”の多用は後のデヴィッド・リンチ作品などに影響を与えているのかもしれないなと思った。
結局、一番気味が悪かったのは、天井から蛆虫が落ちて来るシーン(髪に蛆虫が絡まってたら、誰でもギャーギャー騒ぐ!)で、
一番不気味だったのは、冒頭ヒロインのスージーがドイツのエアポートに到着し、自動ドアから土砂降りの外へ出た後にドアが閉まるアップだった。
あのシーンは、ヒロインが遭遇する惨劇の前兆として秀逸なシーンだったと思う。
ゴブリンの音楽も有名だが、これは時代を経ても、不気味に響いている。
怪しげな役柄のイメージが強い若き日のウド・キアが至極真っ当な精神科医役で出演。
全6件を表示