劇場公開日 2015年4月17日

「映画・音楽・人生 イズ ビューティフル」サウンド・オブ・ミュージック 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画・音楽・人生 イズ ビューティフル

2015年5月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

ハリウッドミュージカルの最高峰の一本。
1965年製作。50年を経ても変わらぬ魅力。
一度は劇場で観たい作品である。

「サウンド・オブ・ミュージック」「ドレミの歌」「エーデルワイス」…作品を彩る、誰もが一度は聞いた事ある口ずさんだ事ある名曲の数々。
特筆すべきは美しいロケーション。
アルプスの山々から野原で歌うマリアを捉える壮大なオープニングは、この映画の価値を決めたと言っても過言ではなく、映画史上に残る屈指の名シーン。

本作の前年に魔法使いのベビーシッターでオスカーを受賞したジュリー・アンドリュースだが、やはりこのマリア役が一番。子供たちの為にトラップ大佐に食ってかかるシーンは母性愛を感じる。
初見時はトラップ大佐に反感を持つだろう。妻を亡くしてから子供たちを軍隊の部下のように厳しくしつけ、歌も禁止、笑う事も禁止。
でも、本作で唯一悲しみを背負った人物はトラップ大佐ではなかろうか。
マリアの存在はただ子供たちの家庭教師としてだけじゃなく、トラップ大佐の頑な心の扉をも開いていく。
堅物な父から優しき本来の父へ。クリストファー・プラマーのダンディーな魅力も光る。

実話を元にした映画であり、史実との相違点、後半映画に暗い陰を落とすナチスの描写などについて、一部批判的な意見もあるらしい。
が、一本の“映画”として名作である事に偽りはない。

心温まる子供たちとの交流。
芽生えるマリアとトラップ大佐の恋。
そして、自由を求めて…。
映画の楽しさ、歌の素晴らしさ、人生の喜びに溢れている。

近大