「植物オタクを見せられ続ける」サイレント・ランニング Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
植物オタクを見せられ続ける
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総合20点 ( ストーリー:20点|キャスト:50点|演出:30点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
植物は大事なのにそれを破棄するなんて悪いことだと認識していて当たり前だよね、だから主人公の正義は理解してるよね。そういう前提を物語で最初から視聴者に押し付けてくる。
現代に生きる我々には植物の重要性は当然のことしてわかるが、作品中の時代に何が起きていてこうなったの設定について殆ど説明がない。もう人類は植物なしで成長できるうえに、もしかしたら劇中では何らかの理由で植物が人類に有害になっているから植物を破棄せよという命令だったのかもしれない。だから作品中で何故他人と異なり主人公だけがそこまで愛着を持ち追い込まれていくのかがわからない。
それなのにこの植物に関わる対立が発生している。その最初の設定がもう駄目。
映像はいかにも模型ですという宇宙船と美術の映像が古さを感じさせる。演出も間延びする無駄な場面が多くて退屈するばかり。
登場人物も大きな義務を背負っている割には普通の船員のようで、高度な専門家のような知識・能力・人格が欠けていて魅力が薄い。だいたい植物は光がないと駄目なことにすら気が付かない人物によく植物の管理を任せる気になったものだ。そんな人物が同僚を殺してまで植物を守ろうとして誰が納得するのか。娯楽の少ない宇宙船の中で、1人植物にはまった孤独な船員の姿を延々と見せられてうんざりした。
故障する機械に植物の世話を丸投げして、あの植物もいつまで生き残れることやら。他の地球型惑星に無事に到着してそこで繁栄するなんて明るい将来はなさそうだ。
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