「はっきり言って見づらく面白くありません。」殺しの分け前 ポイント・ブランク あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
はっきり言って見づらく面白くありません。
1967年の作品。50年近く前のものである。今回、初見なのだが多分、当時観たとしてもあまり面白くなかったであろう。
まずタイトル。原題は「Point Brank」で直訳だと「至近距離」となるのだろうが意味不明。クレジットされている通りベースになっている小説は「悪党パーカー 人狩り」である。ただし原作者との間で何があったのか、そもそも主人公の名前さえ「ウォーカー」に差し替えられている。
1999年のメル・ギブソン主演の「Payback」も同じく「人狩り」を原作にしているが、Paybackは自分の取り分を支払ってもらう、という意味合いなのでストーリーをなぞっているとはいえる。
因みに、パーカーものの映画化最新作はジェイソン・ステイサム主演の2013年「PARKER/パーカー」なのだがこれは「人狩り」ではなくウエストレイクのずっと後の小説「悪党パーカー地獄の分け前」を原作としている。「分け前」がたまたまタイトルで重なるのは悪党パーカーシリーズは、悪事の収益を仲間内で奪い合う話が多いからだろう。
さて本作だが、カットバッグを多用してネオ・ノワールの作品群の中で差別化しようとしているものの、ごちゃごちゃしていて見づらいだけで何ら効果は上がっていない。そして音楽がやたら喧しい。また主役のリー・マービン始め、登場人物が陰気臭く全然魅力的に描けていないこともあり、はっきり言って面白くありません。パーカーものだと先に述べたジェイソン・ステイサムのものが一番、スッキリした出来上がりですね。
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