「A級であるとも思わないが、家へ何としても帰りたい女性と彼女から尊敬と愛を認めたいてもらいたい男の心理戦には、見応えがありました。」コレクター(1965) トグサさんの映画レビュー(感想・評価)
A級であるとも思わないが、家へ何としても帰りたい女性と彼女から尊敬と愛を認めたいてもらいたい男の心理戦には、見応えがありました。
<感想>
この作品は、宮崎勤の幼児連続殺傷事件という世にもおぞましい事件当時、ビデオテープで一杯の彼の部屋を見たせいか、捜査員らが「まるで、『コレクター』のようだ。」と口々に漏らした作品でもあるのだが、宮崎勤のような猟奇的な場面は出てこないです。
ただ、女性を崇め、尊敬しつつも、監禁し、自分の思うように、ことを運びたい主人公の異常心理は、共通するものがあります。
何故、当時すでに巨匠として確立された評価を持っていたはずのウィリアム・ワイラーが、このような異色の商品をとったのかは、僕には定かではない。
僕が参照している死ぬまでに観たい映画1001本 改訂新版にも掲載されていなかったし、双葉 十三郎氏(Amazon著者ページ)の外国映画ぼくの500本 (文春新書)にも掲載されていなかった。
が、この映画『コレクター』は、明らかにジョン・コーン、スタンリー・マンの脚本の勝利なのである。
冴えない銀行員であり、みなから軽蔑の眼差しで見られていた主人公が、賭けで大金をモノにし、何不自由のない生活を、送れるようになった。
そんな彼が、遠くから眺めていたに過ぎない憧れの女性を、監禁し、自分を愛してくれるように仕向ける。
[映画レビュー]ウィリアム・ワイラー監督の異色作『コレクター』 | だから、映画を観るのはやめられないに続く。
トグサ的評価:★★★☆☆
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