「ライ麦畑でつかまえて」コレクター(1965) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ライ麦畑でつかまえて
小学校の頃だろうか、深夜枠で何度もTV放映されていた。その頃の邦題は『変態 コレクター』というものだったのですが、おかげで変態=COLLECTORだと間違えて覚えた友人が大勢いました。「違うよ、それは。収集家って意味だよ」と言っても、彼らの頭にはコレクターは変態だと刷り込まれてしまったらしいのです。それが小学校高学年になると、理科の授業で「卵、幼虫、さなぎ、蝶と変わることを変態という」ことを覚えた彼らは、「ほーらみろ、やっぱり蝶は変態じゃんか」と勝ち誇ったようにはしゃいでいたものです。今思い出そうとしても、どうも理に適いません。
今で言うと「完全なる飼育」シリーズの雰囲気なのかもしれないけど、レイプしそうな素振りも見せないし、4週間という期間を設けてただ話しをするだけ。自分の蝶コレクションを自慢げに見せたりして、打ち解けようと試みるフレディ。だけど蝶はみんな死んでいる。ミランダもこれら蝶のように殺されるのじゃないかと恐怖する。だけど、結局4週間経つまで何もしないフレディ。「ライ麦畑でつかまえて」を議論したり、彼女の絵を嬉しそうにもらったり・・・
『サイコ』のアンソニー・パーキンスを真似たというだけあって、テレンス・スタンプは不気味な青年役がとても似合っている。最後のディナーを済ませ、いざ彼女を家まで送ろうかという段になって、「結婚しよう」と切り出すところが二人の葛藤が最高潮になる。微妙な駆け引きは何度も登場してきたけど、結局は彼女に自分を愛してもらおうと頑張っていただけのフレディ。だけど、そんなんじゃ絶対無理(笑)
さらに「結婚OK」とか「抱いて」とかミランダが言っても、いつまでも逃げ出すための作戦じゃないかと懐疑的。抱くことよりも家に置いておきたいだけなのです。最終的には彼女を死なせてしまったが、また次の獲物を狙うなんてのは許せないところだ。こうやって、連続殺人が起こるんだろうなぁ・・・