ゴッドファーザーPARTIIIのレビュー・感想・評価
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落日のマイケル
総合85点 ( ストーリー:80点|キャスト:90点|演出:85点|ビジュアル:75点|音楽:80点 )
相変わらずの重厚な出来映え。マイケルは組織と家族のために冷徹に何でもする首領から、年老いてPARTIIまででは出来なかった組織の合法化を進め、調和を志向するようになった。前作までで見られたような激しさは影を潜め、家族のために比較的静かな生活をおくる。しかし過去の柵もありそれを周りが許してくれない。そんな彼の晩年の様子は前作までの凄みが弱くなったし、作品の魅力をやや削ぐ形となった。実際、相手を常に都合よく良いように理解しようとして失態を重ねる。あの厳しい姿勢はどこにいったのか。
反面、妹コニーが感情的で自堕落な女から完全に姿を変えて、すっかりマイケルと組織を支える立派な側近になっていたことと、甥のヴィンセントは父のソニーそっくりの短気で直情的だったのに、短期間であっという間に冷静に変わったのは少し驚く。何かと批判されるメアリー役のソフィア・コッポラは最初に観たときにはあまり好きではなかったのだが、今観てみると犯罪組織と縁の薄い普通のいい娘な役割をこなしていてけっこう気に入った。
終盤を飾る長い歌劇の場面には質の高さを感じた一方で、何が起きているのか曖昧で分り辛いうえに冗長にも感じた。また物語にバチカンの腐敗の話が入ってきて焦点がぼけたようにも思う。
3部作一気鑑賞
お正月衛星放送のゴッドファーザー3部作を9時間半かけて一気に鑑賞。最後のパートⅢが、記念すべき1000本目の鑑賞作品となった。
長い大河ドラマの果てに、盲目の恋に陥った娘によって大切なものを失ってしまう結末。思えば、マイケルは女運が悪かった。ころころと男を変える妹や、悲劇で終わってしまったシチリア島での最初の結婚、アメリカに帰ってからの結婚も上手くいかなかった。
身の回りの女をいかにコントロールできるか。これは父権社会における最も難しいテーマなのだということが、3篇を通じて良く分かる。家庭を持つ男には身につまされる話である。
男どもを統べるゴッドファーザーといえども、上手くできなかったということである。
涙が流れない号泣のパチーノ
4.5
三部作の最後を飾るにふさわしい華麗な完結編。
蛇足だとかいろいろ言われているけれども、ぼくはそう思はない。
なんとなく物語が無難な感じがするけど、見応えは十分だと思う。
partIIIは全2作と比べわかりすい気がする。
partIIの最後、家族を失い1人ベンチに座っていたときの力のない虚ろな目が、度々フラッシュバックした。
コルレオーネ財団として合法になることに尽力したものの、完全に裏事業から足を洗うことはできなかったことを考える顔はすごく悲しげだった。
オペラに関しては全く知識がないので最後のシーンは毎回わかったようでわからなかったよう。
でもラストの悲劇には息をするのも忘れてしまうくらい驚く。
アルパチーノやダイアン・キートンの演技はとてもよかった。
ただヴィンセント役のアンディ・ガルジアはなんとなく頼りない感じ。
マイケルがザザを殺すことに執着するヴィンセントに言った「敵を憎むな、判断を誤る」は名言だと思う。
三部作を通して観た感想を一言いうと、
ゴッドファーザーはマフィアをテーマにしたようで実は愛や人望、もっとも人間を知る上で大切なことが多い映画。
意味深長で濃厚な描かれ方や映画全体の厳かな感じがとてつもなく素晴らしい魅力のある映画。
移り行く時代
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