「マフィア(ヤクザ)は鼻くそだ」ゴッドファーザー llさんの映画レビュー(感想・評価)
マフィア(ヤクザ)は鼻くそだ
まず先にマフィアへの見解をのべる
マフィア映画は今まで避けてきたし、今作が初めてのマフィア映画だが、やはりマフィアは鼻くそである
おそらくどの映画でもマフィアの世界はかっこよく描かれ、男尊女卑の憎い世界と人殺しによる私欲で成り立っている
そもそも、家族とは仲良くし、外とは対立するという構造が男としてださい(当本人たちはかっこいいと思っているんだろうが)
家族内での仲間割れは決して許さず、血の繋がっていない人は平気で殺す
そのくせ妻達には仕事に口をだすなと言い、傍若無人に振る舞う
外との対立について、困ったらとりあえず殺しをするので、結果的に全員死ねばいんじゃね?としか思えない
とりあえず殺すという発想もまた鼻くそ程度の脳みそしかないと思うのだが(殺しを仕事と述べるあたりに虫唾が走る)
相続についても、家族や息子だからといって仕事を立場を続かせる行為がまず古いし幼稚である(この映画自体古いのであれだが)、本当に優秀なパートナーや後継者はそうではない
しかしこの映画は、そんな鼻くそどもをかっこよく見えるように映し、マイケル同様、こんな世界でもその中のルール上でのし上がらなければならないと思わせるようになっている(登場段階ではマイケルはこっち側の人間になっているため、感情移入しやすいあたりがまた上手い)
殺す行為について、本人達に殺しの罪悪感は当然ないので、
結果的に家族が殺されても悲しみはない
ヤクザの頭の悪さはここにある。
大切にしているはずの家族は、自分の行為によって気薄な存在になっており、結果的に何が欲しくて何がしたいのかわからなくなっている
歌手を力ずくでものにする行為について、結局、ファミリーの取り巻きは暴力に怯えて(人殺しされるのを恐れて)支えているだけであり、このファーザーとやらに本当の意味でのカリスマ性はない
マフィア間のやりとり、探り合いについて、スパイかどうか、敵か味方かの判断に対する根拠が乏しいと感じた。理由もなく、こいつは敵だと考え殺しをしたり(ほとんど敵の場合が多いが)など、この映画で描かれている戦いは頭脳戦ではなく、ノリと感である
ビジネスはやはり、身内のみならず、他の組織との競争と共存にある
マフィアやヤクザを良きことと謳わず、鼻くそのように描く映画を今後観てみたい