生きる(1952)のレビュー・感想・評価
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地方公務員は「無意味に忙しい」
映画「生きる」(黒澤明監督)から。
もう何度も観てきた、地方公務員必見の映画である。
その度に新しい発見があるから、黒澤監督の凄さを感じる。
さて、メモをとりながら観たのは初めてのため、
整理していたら、面白いことに気がついた。
市役所の仕事に対する厳しい視点が台詞に現れている。
作品冒頭「今や(30年勤めた市民課長に)意欲や情熱は少しもない。
そんなものは役所の煩雑極まる機構と、それが生み出す
『無意味な忙しさ』の中で、まったくすり減らしてしまったのである」
とナレーションが語り、
今度は作品半ば「この30年、役所でいったい何をしたのか、
いくら考えても思い出せない。覚えているのは、つまり『ただ忙しくて』、
しかも退屈だったってことだけだ」と主人公が語る。
そして、作品の後半、他の公務員が呟く。
「役所にだっていい人間、入ってくるんですよ、でも長くいるうちに。
あの複雑な仕組みの中じゃ、何一つ、第一あんなに『無意味に忙しくちゃ』
何か考える暇さえないんだから」
共通なイメージは、地方公務員は「無意味に忙しい」である。
この作品、60年以上も前の作品だから、と笑い飛ばしたいところだが、
作品のナレーターが、力を込めて、叫ぶように訴える
「いったい、これでいいのか。いったい、これでいいのか」が印象深い。
生きがいについて
しみじみ泣けるが、見終わってこんなに清々しい気持ちになれる作品は、そう沢山はない。
誰もが今までの自分の生き方を振り返り、死ぬまでの自分の持ち時間をどう使うかを考えてみたくなるだろう。
生まれ変わろうとしている主人公を祝福するように「ハッピーバースデイ」が聞こえてくるシーン、「いのち短し恋せよ乙女・・」と歌うシーンは今でも時折り思い出す。私の宝物の一つ。
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