「素晴しい」生きる(1952) ニモさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴しい
初めて黒澤作品を鑑賞した。
昭和初期の映画の特徴として、本作品もモノクロの画面に早い台詞回し。特に前半は女性の言葉がなかなか聞き取れなくて、ストーリーについていけてるのか不安になった。
途中までは不安だったが、ラストの45分間は画面に釘付けに。
脚本も演技者も市井の人をリアルに描き、無音のシーンも画面からそれぞれの気持ちを深く表していた。
主演の志村喬の演技は映画の冒頭から素晴らしく、大きな目に様々な感情が浮かんでいた。終盤、人生をかけた仕事に向かう背中に、大きな覚悟と哀愁を感じた。
本作品を見ながら自分自身や家族や、いずれ誰もが向かい合う老いや死に、想いを馳せずにはいられなかった。
素晴しい作品
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