「日本にとって近代とは何か」生きる(1952) ouosouさんの映画レビュー(感想・評価)
日本にとって近代とは何か
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システム的近代社会においてロボット化した人間が、死に際して個としての生命を初めて?あらためて?生き始める。大正から戦後を生きた人間の個人史であるが、この主人公は日本の近代化の歴史を象徴する存在でもある。
葬儀の場面で各人が回顧し、無口で謎の人物であった主人公が、一人の人間として像を結んでいくのが印象的。生と死がせめぎ合ううねりのような構造である。
胃のレントゲン写真から始まるのがよい。これにみんなー胃の持ち主も翻弄され世界が転がっていく。
音楽の使い方が面白い。『命短し恋せよ乙女』もそうだが、『ハッピーバースデー』がぐっと来る。直接的といえば直接的なのだが。
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