ゴースト・ウィーク

解説

ＴＶ画像としか親和しなくなった自閉症の若者の姿を描く。監督・脚本はダニエル・ヘルファー、撮影はカイ・ガウディッツ、音楽はＧ・ロイス、編集はペーター・Ｒ・アダムが担当。出演はウーベ・オクセンクネヒト、ラズロ・Ｉ・キッシュほか。白黒、35ミリ。

1985年製作／西ドイツ・スイス合作
原題または英題：Der Rekord
配給：ユーロスペース
劇場公開日：1986年12月20日

ストーリー

リコ（ウーベ・オクセンクネヒト）と恋人のビギ（カタリーナ・ラーケ）、友人のバナナ（ラズロ・Ｉ・キッシュ）の3人は、ビデオのレンタル・ショップを共同で経営しようとしている。彼らの計画は、湖に船を浮かべ、そこから電波を発進する“自由放送局”を作り金儲けをすることだ。その資金作りに映写技師を買収し、上映中の映画を電話回線を使ってビデオに収録し、海賊テープをレンタルしたり、レンタル・ショップに売りさばいたりしている。が、ある日、警察の手入れを受けて映写技師が捕まり、荒稼ぎのタネが断たれる。やむなく、テレビのライヴショウに出てマラソン・ビデオ・ウォッチングに挑戦するリコ。やがて、彼は“映像のゴミ箱”と化し、精神に異常をきたすようになってしまう。恋人ビギのことも識別できなくなってしまう。医者も手あての仕様がなく困惑している時に、リコが知らないはずのロシア語をしゃべった。彼の頭脳が「初級ロシア語講座」を受信していたのだ。テレビを通じてなら自分をわかってくれると思ったビギはバナナとともに、テレビ局に侵入し、電波を通じてリコに戻ってくるよう呼びかけるのだった。