劇場公開日 1962年5月22日

「バイオレンス要素も薄めで、ラブストーリー要素が強め。但し、話のテンポの良さは片鱗をのぞかせていますね。」荒野のガンマン 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5バイオレンス要素も薄めで、ラブストーリー要素が強め。但し、話のテンポの良さは片鱗をのぞかせていますね。

2025年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

幸せ

シネマヴェーラ渋谷さんにて『超西部劇』と題した戦後に新たな要素を取り込んだ西部劇の特集上映開催中(2025/05/03~05/30)。本日はバイオレンスアクション映画の巨匠サム・ペキンパー監督の長編デビュー『荒野のガンマン』(1961年)を鑑賞。

『荒野のガンマン』(1961年/93分)
『ワイルドバンチ』(1969)、『砂漠の流れ者』(1970)、『わらの犬』(1971)、『ゲッタウェイ』(1972)、『戦争のはらわた』(1977)などバイオレンスなアクション映画の傑作を世に出したサム・ペキンバー監督が企画・制作・脚本・演出を務めた長編デビュー作。

南北戦争で南軍兵の男に頭の皮をはがされかけた元北軍兵の復讐と、彼が撃った流れ弾のために亡くなった息子の亡骸を亡き夫の隣に埋葬するため、先住民たちの襲撃の危険を顧みず毅然と墓に向かう未亡人の愛憎の念が入り混じるロードムービー。

監督がこよなく愛する滅びゆく西部の男たちへの哀愁はデビュー作の本作でも描かれておりますが、独特のスローモーション撮影や細かいカット割りの演出は創出されておらず、バイオレンス要素も薄めで、ラブストーリー要素が強め。但し、話のテンポの良さは片鱗をのぞかせていますね。

矢萩久登
PR U-NEXTで本編を観る