汚れなき悪戯のレビュー・感想・評価
全8件を表示
美談のように語られる理不尽
大昔に、テレビの洋画劇場で見た記憶がある。子供心に強烈な印象を植え付けられた。とにかく、あらすじがとんでもなく残酷で望んでなったこととは言え、最後は天に召される事になる。すごく不条理を感じたものだ。
いい子にしていたら、なにか望みが叶うような展開で、「ママに会いたい」という望みをかなえるには死んで天国に行くことという結論がどうしても納得いかなかった。
途中からは、イリュージョンな展開で、禁じられていた部屋に飾ってある十字架のキリスト像が、いつの間にか動き出すようになり、マルセリーノは彼と意思疎通ができるようになり、直接、教えの言葉を受けながら、成長していくと思いきや、キリストの傷をいやしてやり、頭に巻かれたいばらの王冠を取ってあげる。
お礼になにか望みをかなえてあげよう。と言ったところから、そういう流れになるのだが、子供心に、「死」という概念がかなり揺らいだものだ。
パンとワインのマルセリーノ
『あんのこと』や『すばらしき世界』を見ていたらこの映画のことを思い出しもう一度見たくなった
杏や三上は神に召されたのだろうか
じゅうぶん苦しんだのだからもう終わらせてもいいとか
一番の幸せな時に終わりにしようとか
マルセリーノは無垢でまだ死を学んでいない
死よりも先に天国を知り同時に母を知った
友達のマヌエルは自由でおそれを知らず勇気をくれた
しかしマヌエルには母が身近にいたのだ
マルセリーノは母に会いたかった
三上もだ
杏は母を憎んだが憎みきれなかった
産んでくれたからなのかも知れない
この世に生まれてこなければ知ることのできない幸せも少しはあったのだろう
マルセリーノもそう感じているはずだろう
それでもマルセリーノは母に会いたかった
死と生の境目などまだ知らぬ無垢な子供だから素直にそれを願ったのだろう
死も生も同じなら素直な願いを叶えてしまう
今の私達、いや「私」にはまだまだ理解できない領域だ
死と生は明らかに違う
そうだと思い込んでいるのかも知れないが今はそうとしか言えない
私には死人の声は聞こえない
その世界があるのならそこはとても人口が多いのだろうがきっと次元が違うのだろう
ずっとずっとこちらの方が狭くて息苦しいのだろう
パンとワインのマルセリーノ、やはり忘れられない
汚れの無い心に涙腺崩壊
パンとワインのマルセリーノ
まさかの…。
小さな奇跡
総合75点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:55点|音楽:65点 )
古い白黒映画だし動きは少ないしで、当初はそれほど引き付けられたわけではなかったが、なかなかどうして感動作だった。両親を亡くして女性も子供もいない修道院で育てられる子供の天真爛漫な可愛らしさに参った。それだからこそ、そうきたか、という感じ。明るい悪戯っ子で12人もお父さんがいたけれど、本当はたった一人のお母さんがいなくて寂しかったんだなあ。個人的には特に宗教も奇跡も信じていないけれど、「十戒」や「ベン・ハー」と違って、この小さな物語の奇跡は違和感なく受け入れることが出来た。昔に授業で習った「マルセリーノの歌」も寂しく余韻を残す。
泣けました…(これまた午前10時の映画祭…)
子役がとにかく表情豊かで可愛いです。
気持ちが純粋になります。
みなしごを12人の僧呂が育てます。
無垢なマルセリーノだけど、母親が居ない寂しさと友達のできない寂しさもあり、悪戯や独り遊びで元気に育っていきます。
しかし、いつしか母親に会いたい思いが強くなり、神様に導かれ天に召されていくのでした…。
寂し気持ちいっぱいのマルセリーノだけど、ひたすら元気に純粋に明るく成長していきます。その純粋さに心打たれます。その上、他人を思いやる気持ちもきちんと持っている。
神様はマルセリーノの純粋なお母さんに会いたいという気持ちを叶えて天に導くわけだけどこれがめでたしめでたしなのか…。
きっと、良かったんだろうな〜、と映画館出てしばらく歩いてから気持ちに‘ググッと’きました。泣けました…。
全8件を表示