汚れなき悪戯のレビュー・感想・評価
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美談のように語られる理不尽
大昔に、テレビの洋画劇場で見た記憶がある。子供心に強烈な印象を植え付けられた。とにかく、あらすじがとんでもなく残酷で望んでなったこととは言え、最後は天に召される事になる。すごく不条理を感じたものだ。
いい子にしていたら、なにか望みが叶うような展開で、「ママに会いたい」という望みをかなえるには死んで天国に行くことという結論がどうしても納得いかなかった。
途中からは、イリュージョンな展開で、禁じられていた部屋に飾ってある十字架のキリスト像が、いつの間にか動き出すようになり、マルセリーノは彼と意思疎通ができるようになり、直接、教えの言葉を受けながら、成長していくと思いきや、キリストの傷をいやしてやり、頭に巻かれたいばらの王冠を取ってあげる。
お礼になにか望みをかなえてあげよう。と言ったところから、そういう流れになるのだが、子供心に、「死」という概念がかなり揺らいだものだ。
パンとワインのマルセリーノ
『あんのこと』や『すばらしき世界』を見ていたらこの映画のことを思い出しもう一度見たくなった 杏や三上は神に召されたのだろうか じゅうぶん苦しんだのだからもう終わらせてもいいとか 一番の幸せな時に終わりにしようとか マルセリーノは無垢でまだ死を学んでいない 死よりも先に天国を知り同時に母を知った 友達のマヌエルは自由でおそれを知らず勇気をくれた しかしマヌエルには母が身近にいたのだ マルセリーノは母に会いたかった 三上もだ 杏は母を憎んだが憎みきれなかった 産んでくれたからなのかも知れない この世に生まれてこなければ知ることのできない幸せも少しはあったのだろう マルセリーノもそう感じているはずだろう それでもマルセリーノは母に会いたかった 死と生の境目などまだ知らぬ無垢な子供だから素直にそれを願ったのだろう 死も生も同じなら素直な願いを叶えてしまう 今の私達、いや「私」にはまだまだ理解できない領域だ 死と生は明らかに違う そうだと思い込んでいるのかも知れないが今はそうとしか言えない 私には死人の声は聞こえない その世界があるのならそこはとても人口が多いのだろうがきっと次元が違うのだろう ずっとずっとこちらの方が狭くて息苦しいのだろう パンとワインのマルセリーノ、やはり忘れられない
汚れの無い心に涙腺崩壊
舞台はスペイン 貧しい時代の村 捨てられた赤子に マルセリーノの名を付け 育てる12人の修道士。 時は流れ母の姿を求め 心に空洞を感じた少年は ある日、彼と出会う。 純真な少年を見て彼は問う 願いは? ここで涙腺は崩れ去る。 この映画の好きな場面は 冒頭、人々が一心不乱に 丘の上を目指している所で 物語の結果を現している。 そしてあの場面以降になると 必ず涙腺の大崩壊が起こる。 だから観ないようにしているが 心に刻まれてしまっている。 とても困る映画になっている。 思う。 純真とは 汚れとは 奇跡とは 信仰とは 人間とは 答えは無い。 あるとしたら 見上げる少年の眼か? ※
パンとワインのマルセリーノ
修道院の前に置き去りにされて いた赤ん坊。 12人の神父さんに守られて すくすくとわんぱくに育つが、、、 孤独という病気。 母親に会いたいという 思いはなくならず。 神に召されて永遠となる。 マルセリーノ役の6歳の パブリート・カルボ君の 愛らしさが、1955年の カンヌ国際映画祭で 特別子役表彰を受けたそう。
まさかの…。
修道院の前に捨てられた赤ちゃんは 12人の僧侶に不器用ながらも大事に育てられて 明るく元気でわんぱくな少年に。 マルセリーノのいたずらに手こずりながらも、 愛情たっぷりに見守る僧侶さん達にほっこり。 架空の友達と遊んだりする姿や 会ったこともない母を恋しく思う姿には切なくなりましたが、 優しい心を持っていたマルセリーノに こっちまで優しい気持ちになりました。 わたしは知らなかったのですが、 作中のマルセリーノの曲って本当にあるんですね。 ということは、 このお話も実際に語られている話しなのかな? マルセリーノただ一つのお願いって…。 あぁ… そんな…(;_;) という感じでしたね。
心を洗えます
宗教の範疇を超えて純粋に心洗われる名画と思います。子を持ったことのない修道士に育てられるマルセリーノの奇跡の物語。「マルセリーノの唄」は日本人好みのメロディーでかつて大ヒットしたというのも頷けます。
小さな奇跡
総合75点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:55点|音楽:65点 )
古い白黒映画だし動きは少ないしで、当初はそれほど引き付けられたわけではなかったが、なかなかどうして感動作だった。両親を亡くして女性も子供もいない修道院で育てられる子供の天真爛漫な可愛らしさに参った。それだからこそ、そうきたか、という感じ。明るい悪戯っ子で12人もお父さんがいたけれど、本当はたった一人のお母さんがいなくて寂しかったんだなあ。個人的には特に宗教も奇跡も信じていないけれど、「十戒」や「ベン・ハー」と違って、この小さな物語の奇跡は違和感なく受け入れることが出来た。昔に授業で習った「マルセリーノの歌」も寂しく余韻を残す。
泣けました…(これまた午前10時の映画祭…)
子役がとにかく表情豊かで可愛いです。 気持ちが純粋になります。 みなしごを12人の僧呂が育てます。 無垢なマルセリーノだけど、母親が居ない寂しさと友達のできない寂しさもあり、悪戯や独り遊びで元気に育っていきます。 しかし、いつしか母親に会いたい思いが強くなり、神様に導かれ天に召されていくのでした…。 寂し気持ちいっぱいのマルセリーノだけど、ひたすら元気に純粋に明るく成長していきます。その純粋さに心打たれます。その上、他人を思いやる気持ちもきちんと持っている。 神様はマルセリーノの純粋なお母さんに会いたいという気持ちを叶えて天に導くわけだけどこれがめでたしめでたしなのか…。 きっと、良かったんだろうな〜、と映画館出てしばらく歩いてから気持ちに‘ググッと’きました。泣けました…。
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