「第1級の監督が撮ったB級スリラー‼️」ケープ・フィアー 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
第1級の監督が撮ったB級スリラー‼️
ハッキリ言って俗悪なスリラーなんですけど、そんな俗悪なスリラーもスコセッシ監督の手にかかると、こんなに面白くなるという見本‼️女性暴行の罪で服役していたマックスは出所後、自分の弁護を怠ったとしてボーデン弁護士への復讐を誓う・・・‼️1962年の「恐怖の岬」のリメイクです‼️オリジナルは、無法者と善良な中産階級の家族という図式だったと思うのですが、今作のボーデン一家は嫌味というか、醜い葛藤があるという設定にして、善と悪の区別が曖昧になっている‼️もはやどのキャラにも感情移入できないまま、憎しみや不信感といった人間の負の感情、闇の部分が強調された作品‼️そんな今作をスコセッシ監督は歪んだアングルや、めまいがするようなカメラワーク、ヒッチコック映画思わせるバーナード・ハーマンの音楽などで、緻密に作り上げてますね‼️そしてデ・ニーロ‼️体中に入れ墨を彫り、ヤクザっぽい服を着たマックスを、いかにも楽しげに、身の毛のよだつ恐ろしさで演じていて、まるでホラー映画のモンスターですね‼️映画館でタバコふかしながら大声で笑ったり、ボーデン宅の塀に寝そべっていたり、ボーデンが差し向けたチンピラを逆にフルボッコにしたり、車底にしがみついてボーデン一家を追ったり、あぁホントに恐ろしい‼️まるでジェイソンのような不死身ぶりを発揮するクライマックスも恐ろしいんですが、特に秀逸なのはボーデンの娘を誘惑するシーン‼️思春期の少女の反抗心をくすぐってボーデンの娘を誘惑した後の、濃厚なキス‼️血もバイオレンスを無いシーンなんですが、人の欲望や恐怖を巧みにかき立てる悪魔マックスの本領が発揮された、最高に戦慄なシーンですね‼️まぁ、数あるスコセッシ監督の傑作と違って心に残る作品ではないんですけど、一流のB級スリラーではあります‼️