劇場公開日 1954年8月16日

「勧善懲悪ではない、微妙な正義」ケイン号の叛乱 sironabeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0勧善懲悪ではない、微妙な正義

2024年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

 1943年、プリンストン大を卒業したウィリー・キースは、海軍少尉候補生として駆逐艦ケイン号に配属される。規律の乱れた艦内の様子にキースは落胆するが、新艦長のクイーグが規律を重んじる方針をとり、キースは歓迎する。しかしクィーグは、リーダーらしからぬ言動が目立ち始め。
 不穏な緊張が広がっていく反乱までと、その後の軍法会議の二部構成になっています。典型的なリーダー失格像が、徐々に露見していく構成と演技に上手いなぁと感嘆しました。また終盤は弁護人のグリーンウォルド中尉が主人公で、彼の言い分にハッとさせられ、確かにそうだと観る者にも間違いを認めさせる説得力がありました。

sironabe