「ヒューマンドラマのベンチマークになりうる」クレイマー、クレイマー ティーダ1500さんの映画レビュー(感想・評価)
ヒューマンドラマのベンチマークになりうる
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1985年、小学校4年生の時にテレビ地上波で観て、後年、DVDを買うにまで及んだ作品。
この作品は、一人の男として、夫として、あるいは父親として自分はどうあらねばならないか、を考えるヒントに満ちている。そのどれもに、もがきながら取り組んでいる主人公を見るたびにそう思う。
家庭を省みないワーカホリックだった主人公が、息子を育てる過程で自分のキャリアをあきらめ、息子の存在を生きる糧としていく様子に心を打たれる。特に、ケガをした息子を抱き抱えてニューヨークの街を救急病院へ走る姿には、愛する者をなんとしても守る主人公の気持ちが垣間見えて、自然と泣いてしまう。息子の親権を得る裁判に勝つために、転職の面接で見せる主人公の覚悟あふれる毅然とした態度にも。
男として、父親としての格好よさとは何か、人生において肚をくくるとはどういうことか、何かを選び、代わりに何かを捨てた男の強さについて、夫婦のありかたとはいかにあるべきか、当時のアメリカ社会のウーマンリヴについて…など、いろいろなことを考えさせられる作品だ。
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