暗くなるまで待ってのレビュー・感想・評価
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【盲目の聡明な美しい夫人に襲い掛かる犯罪者3人組との密室での攻防を描くスリラー・サスペンス。最終盤の犯罪者のドンと夫人との対決シーンはハラハラ。ヘプバーンの演技の幅を世に知らしめた作品でもある。】
■スージー(オードリー・ヘプバーン)の夫・サムが、ある女性リサから預かった人形にはヘロインが仕込まれていた。
それを取り返そうと犯罪組織の3人の男、ロート(アラン・アーキン)、マイク、カルリーノが、サムの留守中に彼女のもとへやって来る。
スージーが盲目だと気づいた3人は、さまざまな人物に成り済まして人形を捜そうとする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作はもしかしたら、盲目の美女が犯罪者と対峙する作品の嚆矢かなあ、と思いながら観賞。近作の邦画で言えば、吉岡里帆さん主演の「見えない目撃者」をふと思いだす。
・50年以上前の作品なので、更に主演がオードリー・ヘプバーンという事もあるのか、犯罪者側が彼女に対し接する態度が、何だか紳士的な感じがしてしまったのは、私だけであろうか。特にマイクかな。
・ヘロインが入った人形を取り返そうと、一人何役もしながら接近していくロート、マイク、カルリーノだが、盲目だからゆえに異変に気付くスージーを今までの可憐な役を取り払い演じるオードリー・ヘプバーンの姿。
ー 特に、3人が警察と遣り取りしているふりをしていた電話線が着られていた事に気付くスージーの姿を演じるシーン。彼女は一度、絶望的な気持ちになるが、気丈にも部屋中の電気を叩き割り、犯人たちと対峙するのである。-
■その後にスージーの部屋に入って来た比較的彼女に近しい思いを持っていたマイクを後ろから刺し殺すロートのサングラスが恐ろしい。
更に、ロートはマイクの死体にガソリンをかけて、紙に火を付けてスージーを脅すが、彼女はそれに屈せずに、手にした包丁でロートと対峙するのである。
<今作は、それまでラブコメ的な作品に出演していたオードリー・ヘプバーンが、スリラー作品に主演した作品であるが、ご存じの通り彼女はこの作品で更に演技の幅の広さを世に知らしめたのである。>
ところどころで突っ込みどころが…
麻薬取引グループから一方的に預けられた人形をめぐって、盲目の主人公が事件に巻き込まれる話。
目が見えない分、その他の感覚がかなり鋭いため、不可解な行動は全てバレているところがすごい。
ほとんどのシーンが室内なので、画変わりはしないが、スリルが伝わり退屈はしない。
気になったことといえば、
電球を壊して暗闇にして、目が見える人たちより有利な状況を作り出したいなら、全部壊しておけば良いのに、ひとつだけ残しておくという謎。
冷蔵庫が旧式の話や霜取りの話が序盤に出てきたから、ラストシーンでの伏線かと思いきや、全く関係なかったこと。ちゃんと霜取りしなかったせいで電源が落ちる展開にすればよかったのでは。
あとは、室内でガソリンを撒いてマッチに何本も火をつけたらさすがに引火する気が。
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