「モリーナの幸せはそこに」蜘蛛女のキス きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
モリーナの幸せはそこに
25年も前、ニューヨークのブロードウェイで「蜘蛛女のキス」見ました・・・
が、何の予備知識もなく飛び込みで入ってみた劇場。
だから何がなんだかストーリーの全てがさっぱり解らぬまま終演のカーテンコール????
僕は舞台の正面から蜘蛛女にまっすぐ睨まれて、仕方なくスタンディングオーベイションに立ちあがったら、僕以外の観客はすでに総立ちだったんですねー、後ろ振り返ってびっくり。
最前列の真ん中の席だったから、そりゃあ蜘蛛女にも睨まれるわな。
今回DVDで初めて筋書がわかりました。
背景難しすぎでした。
僕の英語力ではムリでし
た、立てんわ(笑)
反目しあっていた二人がなぜ一つのベッドに入ったのか。
ブロードウェイの最後の幕で、ステージ全体に張られたロープのクモの巣をなぜ蜘蛛女は怒りと悲しみの形相でかけのぼっていったのか。
四半世紀を経てやっと物語がわかりました。
モリーナは、夢も救いもないこの世から逃れて同房の彼と蟄居していたんだね。あのメルヘンの時間だけが、彼女の平安の日々だったんだよね。
だから、監獄の壁に守られたあの褥(しとね)だけがきっと一切の過不足なく完成されたモリーナの夢の世界だったんだろうな。
結末は、母親との再会もレジスタンスとの連絡も、あの彼女の釈放後を襲う急転直下の破滅はあまりにも稚拙で、残酷で、見ていて辛かった。
もしピストルで撃たれていなかったとしても、モリーナは無理やり外界に引きずり出されたことで命を終えていたでしょう。
僕は思うのです、
みんながみんな闘う必要なんてないんだよね!?
男らしい男と一緒に暮らすことだけが彼女のたったひとつの願いだったのに。
悲しい。
きりんさん、別の映画ですがコメントありがとうございます。まだロレンス、見ることできるかな。ピーター・オトゥールがとにかく好きなので。なんか悲しくなるんです、彼を見てると。でも見ようかな