劇場公開日 2020年8月14日

「大人のためのおとぎ話」禁じられた遊び(1952) Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0大人のためのおとぎ話

2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館、TV地上波

純粋無垢な少女と少年の”十字架遊び”に大人のエゴイズムの”戦争"を比喩した反戦映画の名作。私的にはマイルストンの「西部戦線異状なし」とチュフライの「誓いの休暇」と並べて反戦を主題にした映画のベスト3と位置付ける。
また、田舎の少年が都会から来た可愛らしい少女に抱く淡い恋心を繊細に表現した、フランスらしい恋愛映画の奥行きもある。戦火のパリから遠く離れた農村を舞台に、少女を引き取る農家が隣人といがみ合う牧歌的ユーモアにも、利己主義に陥った大人社会への批判が感じられる。
「太陽がいっぱい」「居酒屋」のルネ・クレマンのリアリズムタッチによる、大人のためのおとぎ話。ブリジット・フォッセーのあどけない表情に自然な演技と、哀愁を帯びたナルシソ・イエペスのギターの調べが、おとぎ話の世界に誘い、ラスト、大人たちの心を突き刺す耐え難い虚しさ。ラストシーンに心打たれるのは、その虚しさに一人一人が大人として考えることが生まれるからである。永遠に語り継ぐべき映画の代表作。

Gustav
マサシさんのコメント
2023年6月7日

おはようございます。色々身内の話ばかりしてすみません。
子供の頃から映画が好きなのはお話した通りですが、本当は本が読みたいといつも思っています。でも、老眼が深刻になり、最近朗読のシステムがある事を知り、本を朗読で聞いています。
そして、
その際気分を変える為に、時間の合間を使って
朗読で落語を聞いています。談志師匠の『芝浜』とか最高に良いですね。しかし、関東在住なので、実際の落語を聞きに行く事は容易なのですが、落語は演目が決めて貰えないのが不満ですね。だから、もっぱら、You Tubeで聞いています。また、一人で多くとも三演目くらいしか語っていただけないので、それならば『Classic音楽を聞きに行こう!』になりますね。
しかし、先日、柳家 小三治師匠が亡くなり、談志、志ん朝、小三治と消えてしまい、落語界も寂しくなったかなぁって思っています。と言うよりも、そう言った芸能に日の目が当たらないって事が問題なんですね。
特に落語の含蓄曰えるほど、私は聞いていませんので、どなたが真の名人なのかは分かりませんが。
グスタフさんは談志師匠を贔屓にしていらっしゃるようで、それをおおいに共感いたします。
映画と全く関係なくなりましまね。とんだ見当違いでしたら、ご勘弁ください。
追記 残念ながら、志ん朝、米朝、小三治は聞いた事がありますが、談志師匠は拝見させて頂いた事はございません。また、三師匠の演目は忘れ、内容も良く覚えてません。子供の頃、祖父に連れて行かれました。どうやら、大人しい子だったようで、祖父祖母のおもちゃだったようです。

マサシ
マサシさんのコメント
2023年6月3日

私もこの映画は涙が素直に流せる映画だと思っています。
我が父もたいへんに好んでいましたが、一緒に見ている内に『ポーレット はぐれないで』と見ていた自分が『逃げ帰った方が幸せかなぁ』って思う時がありました。高校生位の時だったと思います。従って、私にとっての反戦思想が形成された源流の様になっていました。『この世界の片隅に』や『少女終末旅行』も全て『禁じられた遊び』が元になっています。つまり、元祖私ですね。
いつも勝手な事ばかり言って申し訳ございません。今後ともよろしくお願いします。

マサシ