吸血鬼(1967)のレビュー・感想・評価
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「ワンハリ」を機にお薦めしたいポランスキー&テイトの吸血鬼映画
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で俄然注目を浴びているロマン・ポランスキー監督と女優のシャロン・テート。結婚直後で幸せの真っ直中にいた2人の人生は、1969年8月9日、テートが狂信的カルト集団によって惨殺されたことで終わりを告げるが、彼らにとって最初で最後の共演作がポランスキーが監督(&主演)し、テートが出演した「吸血鬼」だ。この映画、日本では特に衝撃的に受け止められた。何しろ、日本公開日(1967年9月14日)はテートが殺された35日後だったのだ。劇中での彼女は、吸血鬼に狙われる"お風呂好き"の美女に扮して、半裸シーンで魅せまくり。演技力はゼロだが、確かに、気鋭の監督を魅了したであろう美貌の極致である。でも、映画はポランスキーによる吸血鬼映画のパロディが全編で炸裂して、笑いと恐怖が交互に訪れる秀逸な仕上がり。特に、吸血鬼ハンターとポランスキー演じる助手が見せるスラプスティックな動きと、吸血鬼伯爵のとんでもなくおぞましいルックス&リアルな吸血シーンの対比が堪らない。これを見ると、古典的な吸血鬼映画も、後発のパロディ映画も、バカらしく感じてしまうほどだ。意図的に長すぎる間合いも含めて、「ワンハリ」を機に是非お薦めしたいヴァンパイア映画の珍品である。
ポランスキーにとってはシャロン・テートが吸血鬼だったかも…
もう何十年も昔だが、若い頃には
気軽に楽しく観たような気がするが、
今回再鑑賞して随分とイメージが違った。
基本的にコメディなのだろうが、
優れているとは言い難いボケと小ネタコント
が断続的に続くイメージで、
不必要な場面やストーリー上のもたつき
も多く感じられ、
ポランスキーらしくない印象だ。
この製作時点においては、
多分にポランスキーはシャロン・テートの
ことで頭が一杯で、
彼は彼女に骨抜きならぬ“血抜き”にされて
いたのではなかったのかと
勝手に想像した。
もし、私がポランスキーの立場だったら、
そうなったに違いないと思うので。
いわくつき作品
タイトル通り、まったく怖くない完全なコメディ映画だった。宿屋の娘サラがなかなか綺麗だったのでびっくりですが、彼女がロマン・ポランスキー夫人となりマンソンに殺された被害者だということを後で知った。
吸血鬼であるクロロッツ伯爵の息子がゲイだったこともよかったし、最後には村人全員が吸血鬼だったということもいい。しかし前半の脚本が面白くなく、かなり眠くなること必至でしょう。
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