二つの世界の男のレビュー・感想・評価
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東へ西へ
壁建設前の東西ベルリンを舞台にした物語だが、「僕たちは希望という名の列車に乗った」でも描かれていたように当時は比較的すんなりと境界線を越えられたように見える。この映画でも最初スザンヌが東ベルリンを案内される時は何の問題もなかったのに、いざ脱出しようとすると一変困難が立ちはだかる(ま、非常線が張られたからだけど)。
この中で東からの越境者を支援したとして東独の警察から追われているケストナーなる人物は、てっきり「飛ぶ教室」などの作家エーリヒ・ケストナーかと思って見ていたが、顔となりも違うし、別人だったようだ。
ジェームズ・メイソン演じるイーヴォの位置づけがよく飲み込めなかった。途中からはスザンヌに寄り添って“良い人”風になるけど、それまで東独で何をしていたのかがよくわからない。ほのめかされる罪状もうやむやなままだ。あと、スザンヌは危機的状況なのに信じられないほどのんびりしている。
1953年の映画で、現地でロケしたらしく(ベルリンの壁建設は1961年)、戦火で荒廃したベルリンの街並がとらえられている。現在のウクライナやガザの廃墟の光景と重ねて見てしまう。
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壁のできる前の風景
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