キャバレー(1971)のレビュー・感想・評価
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1971年製作、監督はボブ・フォッシー。第45回アカデミー賞で監督...
1971年製作、監督はボブ・フォッシー。第45回アカデミー賞で監督賞、主演女優賞、助演男優賞など8部門を獲得した作品。
1930年初頭のドイツ・ベルリン。
滑稽で退廃的なショウをみせるキャバレー。
アメリカから来た歌手のサリー・ボールズ(ライザ・ミネリ)は芸は一流なれど、性格的には破綻しているような感じ。
口から出るのはデタラメにホラばかり。
だが、人好きのする性格とキュートな顔立ちで憎めないのだ。
彼女が暮らすアパートメントに、堅物英国青年ブライアン(マイケル・ヨーク)が部屋を探しにやって来た。
ブライアンはサリーの向かいの小部屋を借りて、空いている時にはサリーの部屋で英語の個人授業をはじめることにした・・・
といったところからはじまる物語で、ナチスが台頭しはじめ不穏な空気が漂う世情を背景に、サリーとブライアン、のちに加わる男爵位を持つドイツ青年マクシミリアン(ヘルムート・グリーム)を交えての奇妙な三角関係が綴られていきます。
分類上はミュージカル映画なのだけれど、ソング&ダンスシーンはキャバレーの舞台上だけなので、厳密にいえば、歌曲入りドラマ。
とにかく強烈なのが舞台のショウで、ジョエル・グレイ扮する進行役のメイクと所作がグロテスクといってもいいくらい。
演じられるショウも、皮肉に風刺、女装も登場して、退廃を通り越して、ちょっと胸やけがしてくるぐらい。
そんなショウとドラマがカットバックで進むのだけれど、編集もインパクトがあり、どんどんと台頭してくるナチスが社会主義者を滅多滅多に殴る蹴るシーンなどのすさまじさは、言葉に詰まるほど。
サリーとブライアン、そしてマクシミリアンの三角形は、結局「奇妙な」方向へ嫡子して破綻するわけだけれど、当時はジョン・シュレシンジャー監督 『日曜日は別れの時』でも同じような関係が描かれていた、と記憶しています。
とにもかくにも、「ミュージカル=楽しい」の通念を覆すほど、観ているあいだ中、ほぼほぼ精神を刃物で傷つけられるような感覚で、ミュージカル史上最高に不安な気持ちにさせられる映画と言えるでしょう。
70年代の病めるアメリカが産んだ傑作ですね。
ティファニーで朝食をのホリー・ゴライトリーってこんな感じじゃないかなぁ?
ナチスの青年が奇麗な歌を独唱する。良いな♥と思っていると、周りの一般市民が合わせてくる。それがいつの間にか、勇ましい曲へと変わる。
ライザ・ミネリの口パクが気になった。
KitKatダンスと言うらしいが、ドラッグクイーンのダンスなんだと知った。
ジュディ・ガーランドに似ている。こう言うキャラクターをコケティッシュって言うのだろうな。ティファニーで朝食をのホリー・ゴライトリーってこんな感じじゃないかなぁ?
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