季節のはざまでのレビュー・感想・評価
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もう中年に差し掛かったヴァレンティン(サミー・フレイ)。 幼い頃、...
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もう中年に差し掛かったヴァレンティン(サミー・フレイ)。
幼い頃、祖父母と過ごしたスイス山中の古いホテルを訪ねることにした。
というのも、祖父母がそのホテルのオーナーで、老朽化したホテルが取り壊されることになったからだ。
無人のホテルの廊下やレストラン、バーを訪れるごとに、かつての記憶がよみがえってくる・・・
という物語で、ストーリーという一貫したものはなく、それぞれのエピソードがうたかたのように現れては消えてゆく。
フェリーニの映画のようである。
綴られる回想は、ピアノ弾きマックスと歌手リロの歌曲を中心にしたもので、ノスタルジーに満ち溢れた音楽で彩られる。
その様は、まさに万華鏡。
リロの歌のほかには、魔術師マリーン教授のショウ、突如乱入したロシア女性による発砲事件、大女優サラ・ベルナールの専属給仕だったという祖父の若い頃の物語などなど。
現代のパートは、白を中心に明るくフラットな照明で演出し、回想シーンは赤などの暖色を中心にした画面づくりは、名カメラマン、レナード・ベルタによるもの。
幼いヴァレンティンが毎回楽しみにしていたミッキー・マウスのマンガは、海の見える部屋に置きっぱなしになっている。
最後の最後、その部屋を訪れた中年ヴァレンティンが窓を開けると・・・
ラストカットも明るい画面ながらも幻想的で、微笑ましい。
とにかく、楽しく楽しく観れました。
ダニエル・シュミット監督って辛気臭いだけかと思っていました。
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