劇場公開日 2024年3月8日

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「【”ここは天国・・。”今作は、ダニエル・シュミット監督が紡ぎ出す監督と思われる少年の、過去の古色蒼然としたホテルでの想い出の世界感を堪能する作品なのである。】」季節のはざまで NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”ここは天国・・。”今作は、ダニエル・シュミット監督が紡ぎ出す監督と思われる少年の、過去の古色蒼然としたホテルでの想い出の世界感を堪能する作品なのである。】

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

■或る山中に建つ古いホテルの持ち主だった祖父母に育てられたヴァランタンは、ホテルが取り壊されると聞き、記憶を頼りにその人気のないホテルを訪れる。
 彼はホテルの中を歩きながら、少年時代に過ごしたホテルでの懐かしい想い出が蘇って行くのである。

◆感想

・ダニエル・シュミット監督を全く知らなかったのだが、作品構成と彼と思われる少年時代に過ごしたホテルの内装、意匠、人物の衣装が素晴しく、又、ホテルに集う個性的なキャラクターを持つ人たちが実に魅力的であった。
 で、調べたのだが、この監督は日本では1980年代のミニシアターブームを起こした方だそうである。成程。シネコン(というのは、当時はあったのだろうか。)の大スクリーンよりは、京都シネマ、長野ロキシー相生座、高崎シネマテークと言ったミニシアターで観た方が良い気がする。
 私が、学生時代に名画座のようなところで、ジム・ジャームッシュ監督の初期作品を観たように。

・古いホテルで働くエンターテナーたち。奇術師のマリーニ教授。(で、少年は彼の手伝いをしつつ、トリックを見てしまったりする。)マックス&リロという男女の歌い手。
 ホテルのフロントで働く優しいアニー・ガブリエル。
 少年にとっては、楽しい場所であったのであろう。
 そして、ドアの鍵穴から覗いてしまった女性の身体の秘密。

<そんな思い出が、煌びやかに劇中に描かれつつ、時折現在の寂しいホテル内を歩く成長した元少年の男の表情は、どこか懐かしげである。
 今作は、男が幼き時に過ごした古色蒼然たるホテルで繰り広げられた様々な出来事を、男が幼かった時の少年の視点で描き出した、趣溢れる作品なのである。>

NOBU
talismanさんのコメント
2025年7月31日

ダニエル・シュミット監督の映画「パロマ」を見て、世の中にこんな映画があるのかとびっくりさせてくれた友達。彼女のおかげで、自分が面白いと思う映画、好きな映画を見ればいいんだと吹っ切れました

talisman
talismanさんのコメント
2025年7月31日

🔺ファスビンダーのお友達でしょうかね

talisman
トミーさんのコメント
2025年7月31日

共感ありがとうございます。
シュミット監督と言えば色味ですかね〜なんかドス赤いと言うか・・奇怪な学芸会みたいの位しかもう記憶がありません。
ファスビンダーとつるんでたらしくやはり只者ではなさそうですね。

トミー