季節のはざまで

劇場公開日:2024年3月8日

解説・あらすじ

「ラ・パロマ」「ヘカテ」などで知られるスイスの名匠ダニエル・シュミット監督が、スイス山中の古いホテルで育った男性が少年時代を回想する姿を、シュミット監督自身の記憶を反映させながらつづったドラマ。

スイス山中でホテルを経営する祖父母に育てられた中年男性ヴァランタンは、ホテルが取り壊されることを知り、記憶を頼りに現地を訪れる。ヴァランタンは無人と化したホテル内を歩きながら、少年時代の懐かしい記憶を思い起こしていく。

「はなればなれに」「夕なぎ」のサミー・フレイが主人公ヴァランタンを好演し、「ラ・パロマ」のイングリット・カーフェン、「海辺のポーリーヌ」のアリエル・ドンバール、「チャーリー」のジェラルディン・チャップリンら豪華キャストが共演。2024年3月、デジタルリマスター版にてリバイバル公開。

1992年製作/92分/スイス・ドイツ・フランス合作
原題または英題:Hors saison
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
劇場公開日:2024年3月8日

その他の公開日:1993年7月10日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0 【”ここは天国・・。”今作は、ダニエル・シュミット監督が紡ぎ出す監督と思われる少年の、過去の古色蒼然としたホテルでの想い出の世界感を堪能する作品なのである。】

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

■或る山中に建つ古いホテルの持ち主だった祖父母に育てられたヴァランタンは、ホテルが取り壊されると聞き、記憶を頼りにその人気のないホテルを訪れる。
 彼はホテルの中を歩きながら、少年時代に過ごしたホテルでの懐かしい想い出が蘇って行くのである。

◆感想

・ダニエル・シュミット監督を全く知らなかったのだが、作品構成と彼と思われる少年時代に過ごしたホテルの内装、意匠、人物の衣装が素晴しく、又、ホテルに集う個性的なキャラクターを持つ人たちが実に魅力的であった。
 で、調べたのだが、この監督は日本では1980年代のミニシアターブームを起こした方だそうである。成程。シネコン(というのは、当時はあったのだろうか。)の大スクリーンよりは、京都シネマ、長野ロキシー相生座、高崎シネマテークと言ったミニシアターで観た方が良い気がする。
 私が、学生時代に名画座のようなところで、ジム・ジャームッシュ監督の初期作品を観たように。

・古いホテルで働くエンターテナーたち。奇術師のマリーニ教授。(で、少年は彼の手伝いをしつつ、トリックを見てしまったりする。)マックス&リロという男女の歌い手。
 ホテルのフロントで働く優しいアニー・ガブリエル。
 少年にとっては、楽しい場所であったのであろう。
 そして、ドアの鍵穴から覗いてしまった女性の身体の秘密。

<そんな思い出が、煌びやかに劇中に描かれつつ、時折現在の寂しいホテル内を歩く成長した元少年の男の表情は、どこか懐かしげである。
 今作は、男が幼き時に過ごした古色蒼然たるホテルで繰り広げられた様々な出来事を、男が幼かった時の少年の視点で描き出した、趣溢れる作品なのである。>

コメントする 3件)
共感した! 4件)
NOBU

3.5 2本目は廃墟ホテル

2024年9月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ダニエル・シュミット「デ ジャ ヴ」
がとても良かったので好印象のまま観る
ヨーロッパの懐かしのリゾートホテルが舞台なので
どうしても思い出すのはウェス・アンダーソンとか三谷幸喜とか…?
ストーリーのあってないような
思い出のシーンの連続なので
「ニュー・シネマ・パラダイス」のようでもある
子役が可愛い
回想シーンのイヴェントやショー
ホテルのディテール、顧客のキャラクター
とても楽しめた

コメントする (0件)
共感した! 1件)
mamagamasako2

4.0 ダニエル・シュミット監督作

2024年9月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

早稲田松竹にて鑑賞。(ダニエル・シュミット2本立て)

ダニエル・シュミット監督作『デ ジャ ヴュ』に続けて観た2本目だが、過去の世界を垣間見る……という点で、よく似た作品の2本立て🎥

物語は、取り壊し予定のホテルで少年時代を過ごした男ヴァランタン(サミー・フレー)が、売店の売り子だったオバサンから「ミッキーマウスの本、35年分(…だったかな?)があのホテルの『海の見える部屋』にあるから取って来て」と頼まれて、ホテルにやって来る。
そして、自分が子供の頃の記憶が甦って、その世界(子供の頃の過去の記憶世界)と現代を行ったり来たりする映画。

少年時代のヴァランタン(カルロス・デヴェーザ)は“世界一の美女”に眼が釘付けとなるが、観ているこちらも確かにその女性が本当に美人なので目が釘付け😍笑
演じるのは、アリエル・ドンバールという女優。ホントに綺麗💕

本作、ただ単に現代と過去の世界を見せるだけには終わらず、手品を見せたり、アナーキストと登場させたりと見どころも用意されている。
とりわけ素敵だったのは、少年時代のヴァランタンが家族と上った階段風景に続けて、大人になったヴァランタンに同じように上らせて捉えたシーン✨

今回観たのは(最近上映された)デジタルリマスター版で、とても色彩が綺麗。
サービス精神にあふれた「子供時代の甘い思い出」を感じさせてくれるダニエル・シュミット監督の佳作🎥✨

コメントする (0件)
共感した! 3件)
たいちぃ

3.5 『ベルファスト』っぽい。

2024年5月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ポスターのイメージから、退屈で眠くなる映画を想像したんだけど、けっこう面白かった。

まあ、少し眠くなったけど(笑)

実際の上映時間92分より、長く感じた。

少年時代を回想する映画で『ベルファスト』を思い出しました。

60~65点ぐらい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
RAIN DOG