劇場公開日 1959年11月4日

「【親友の息子でも犯した罪をキッチリ法で償わせるために単身親友が仕切る町ガンヒルに乗り込む保安官の姿を描いた作品。苦悩に満ちたカーク・ダグラスとアンソニー・クインの演技に魅入られる作品でもある。】」ガンヒルの決斗 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【親友の息子でも犯した罪をキッチリ法で償わせるために単身親友が仕切る町ガンヒルに乗り込む保安官の姿を描いた作品。苦悩に満ちたカーク・ダグラスとアンソニー・クインの演技に魅入られる作品でもある。】

2024年8月8日
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鑑賞方法:VOD

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■オクラホマ州の町ポーニー。
 テキサスからやってきた若者・リックとリーは、酒の勢いである先住民の女を殺してしまう。その女は保安官マット・モーガン(カーク・ダグラス)の妻だった。
 リックの父親が大親友で且つて命を救ってくれたクレイグ(アンソニー・クイン)であることを知ったマットだが、クレイグが仕切るガンヒルに単身乗り込み、彼のもとに訪れリックの逮捕を宣告する。

◆感想

・カーク・ダグラス演じる保安官マット・モーガンの妻を殺されながらも、その犯人であるリックに対し、あくまで法の裁きを受けさせようとする姿が印象的である。
 彼は、私怨で報復するのではないのである。

・マットが、クレイグのバカ息子リックを捕らえベッドに手錠で繋いだ状態で、リックに対し、絞首刑になる様を語る姿は凄みがある。
 ”お前が泣き叫んでも、縄はお前の首に食い込む。”
 マットは愛する妻を無残に殺された想いを言葉で、返すのである。

・町中が見守る中、マットはリックの首にクレイグの愛人だったリンダが届けてくれた散弾銃を付きつけながら馬に乗り列車に乗ろうとするシーンは、緊迫感が溢れる。
 そこに、現れたもう一人の犯人リーがマットに発砲するも、その弾はリックに当たりリーはマットに撃ち殺される。

<ラストシーンも印象的である。親友であったマットとクレイグとの早撃ちでの勝負。そして、斃れたクレイグはマットに虫の息で”息子の名は。”と聞き”キチンと育てろよ。”と言い、息絶えるのである。
 アンソニー・クイン演じるクレイグの、息子をキチンとした男に育てられなかった後悔が、その言葉からは沁み出ているし、親友に対しての詫びの言葉でもあったのである。
 今作は、如何に親友の息子であろうとも、罪を犯した者には法の裁きを受けさせようとする私怨を越えた振る舞いを孤軍奮闘で見せる保安官を演じたカーク・ダグラスの演技に魅入られる作品なのである。>

NOBU