「青年の日の夢と野望と社会における階級制度と(涙)」華麗なるギャツビー(1974) 漫画史研究家の本間正幸さんの映画レビュー(感想・評価)
青年の日の夢と野望と社会における階級制度と(涙)
青年の日の夢と野望と社会における階級制度と・・・。(涙)
私の不良少年時代に最も影響を与えてくれた映画です。
最底辺の公立高校ですら、退学寸前だった私は、この映画に出てくるギャツビーの姿に憧れて大学進学を志すようになります。
けれども、一浪後、進学出来たのは明治学院大学社会学部社会学科の夜間。
ANA系の旅行会社の添乗員として働き、4年間成績優秀、奨学金を貰いながら卒業しました。
1980年代後半に学生時代を過ごした私は、運よく学生時代がバブル全盛期と重なりました。大学1年の秋から、六本木のDISCOを借りきってのパーティーを主催。
やがて他大学の友人達と一緒に始めた合同パーティーのリーグは大当たりし、春の新歓、秋の文化祭、クリスマスシーズンなど、毎週のように合同パーティーを主催るようになります。
私は、主催者の一人でありながらも、司会や受付などの表舞台はハンサムな友人達スタッフに任せて、スポンサーと金と、美女と利権を操り、常にVIPルームなどから、パーティの様子を眺めているギャツビーのようになっていったのです。
そして、冬のスキーシーズンには、北海道への格安スキー旅行を企画し、学生ツアーとして大当たりしたのです。
さて、この映画の見所のひとつは、豪華なパーティーシーンや衣裳の素晴らしさ。
ロバート・レッド・フォード演じるギャツビーは、男から見てもそのかっこ良さに痺れてしまいます。
エール大学卒と称するギャツビーの学歴は、勇敢な兵士として、戦場で手柄を立て勲章を貰った褒美として聴講生として通ったもの。
正式な卒業生ではなかったのです。そんな普通の庶民出身のギャツビーが心から愛した運命の女性は、上流階級の美女ディズィ。
ディズィは、優秀な下士官であったギャツビーと恋に落ちるも、エール大学卒の上流階級の男性の元へと嫁いでしまうのです。
転戦し、戦地にてディズィの婚約を新聞記事で知ったギャツビーは、上流階級の人妻となったディズィの心を取り戻すという大いなる野望を抱くのです。
手段を選ばず、金の亡者と化したギャツビーは、ディズィ夫妻の邸宅のある対岸に、豪華な屋敷を建て、毎週のように豪華なパーティーを主催するのです。
全ては、ディズィの心を取り戻すためだけに・・・。
【明日に向かって撃て!】
【スティング】
【華麗なるギャツビー】
を、私は勝手にロバート・レッド・フォード三部作と称しています。
【華麗なるヒコーキ野郎】
や、
【追憶】
よりも、どうしても、私の思い入れの上では、
【華麗なるギャツビー】
の方が強いのです。