「ペキンパー流男の美学」ガルシアの首 たぁ〜ちぃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ペキンパー流男の美学
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しがない酒場のピアノ弾きベニーが、懸賞首の話しを小耳に挟み、情婦エリータとの幸せを掴むため、一攫千金をはかる。
墓を掘り起こして首を持っていこうとするベニーの行動はほめられたものじゃないが、監督は負け犬なりの意地を自分に重ね合わせたのでしょう。
バイオレンス映画の巨匠と、今でこそ言われるサム・ペキンパーですが、当時は観客に受け入れられず、批評家には嫌われ、晩年はトレーラーハウスで孤独な余生を過ごしたそうです。
ガルシアの首を、自ら雇い主に渡す事を絶対に譲らないベニー。
「こいつのせいで16人死んだ。俺も、お前も、惚れた女もな!」と、首と銃弾を叩きつけるクライマックスは、死にゆく男の美学ですな(泣)
ペキンパーが「これは俺の映画だ!」と1番気にいっている作品であり、前半は愛する女性に夢を語る叙情的なシーン、後半はハエのたかる首に失った夢を語りかけるはかないシーン、そして意地のクライマックスにペキンパー流の美学が全て詰まっているのです!
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