劇場公開日 1990年3月9日

「【”Love and Hate"今作は、家族の為に二人殺し一万ドルを手に入れ絞首刑になった父の二人の子供を執拗に追う偽伝道師の姿を軸に、人間の善性と悪性の二面性をシニカルに描いた作品である。】」狩人の夜 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【”Love and Hate"今作は、家族の為に二人殺し一万ドルを手に入れ絞首刑になった父の二人の子供を執拗に追う偽伝道師の姿を軸に、人間の善性と悪性の二面性をシニカルに描いた作品である。】

2025年9月12日
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■家族の為に銀行に押し入り二人殺し、一万ドルを奪った男が、隠し場所を告げぬまま吊し首になった。
 刑務所で同房だったハリー・パウエル(ロバート・ミッチャム)はその金が男の家の何処かにあると知り、残された妻に接近し結婚する。
 だがある日、ふたりの子供たち、ジョンとパールに金の隠し場所を問い詰めているところを見られ、ハリーは彼女をナイフで殺害する。

◆感想

・前半の、ロバート・ミッチャム演じる極悪偽伝道師ハリー・パウエルが、子供達から一万ドルを聞き出すとする姿と、彼の生き方である右手と左手の指に書かれた”Love ”と”Hate"のアップの印象がインパクト大である。

・後半は、ジョンとパールが、ハリー・パウエルにより母が殺された事を察し,小舟で逃げ出すシーンからの、子供達を引き取って育てているクーパー(リリアン・ギッシュ)と、追って来たハリー・パウエルが対峙するシーンもナカナカである。

・この作品が、一筋縄ではいかないのは、登場する人物達が最初善人の様に見えたのに、突然悪人の如き行動に出る集団心理の恐ろしさの描き方であろう。
 又、クーパーも老いたリリアン・ギッシュの怪演の為か、真なる善とは見えない所も、ナカナカである。

<だが、矢張り今作で圧倒的な存在感を示すのは、冷酷無比でありながらどこか、間抜けにも見える極悪偽伝道師ハリー・パウエルの怪演技に尽きるであろう。
 今作は、家族の為に二人殺し一万ドルを手に入れ絞首刑になった父の二人の子供を執拗に追う偽伝道師の姿を軸に人間の善性と悪性を描いた作品なのである。>

NOBU
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