劇場公開日 2023年12月22日

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「フランチェスコ自身より弟子の話の方が、、、」神の道化師、フランチェスコ かぜさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0フランチェスコ自身より弟子の話の方が、、、

2023年12月30日
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もちろん主人公のフランチェスコの存在感はさることながら、弟子ジネプロのエピソードが、今の時代で観ると、圧倒的にインパクトもあり、映画的に面白いのが不思議。フランチェスコのエピソードは、心洗われるような真摯な気持ちが沸き上がる「キリスト教の本質」を考えさせらる逸話なのだが、少々説教くさいのと、フランチェスコがすぐにメソメソするのが、映画やドラマを観て、「そこで泣く?!」と呆れられる己の姿を見るようで、恥ずかしい感情があり、それよりもちょっと一歩間違えると危ないヤツなんだけど、何かエネルギッシュなジネプロの方が自分は圧倒されてしまいました。まあ、こういうヤバい子分は、使いようでフランチェスコみたいな親分がいないとダメなんでしょうけどね。
ロッセリーニの映画はあまり真面目に観たことなくて、バーグマンとの恋沙汰とかの方が印象に残っていて、こんなほのぼの系の映画を作る人たったのは意外たった。映画の冒頭辺りで、野原を弟子達が動き出すシーンなんて、ミュージカルナンバーのノリ。
半世紀以上の前の映画だけど、リマスターした白黒の色彩も良いし、一度は観てもよい映画かと。

かぜ