劇場公開日 2023年12月22日

「素朴にして深い、ロッセリーニの演出美」神の道化師、フランチェスコ Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5素朴にして深い、ロッセリーニの演出美

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

永らく日本未公開だった為、聖人フランチェスコを初めて知ったのが、ゼフィレッリの「ブラザー・サン シスター・ムーン」だった。サンフランシスコの地名の由来ぐらいの知識しかなかった。そのゼフィレッリ作品は、現代的な青春映画のような爽やかさが特徴の秀作で感銘を受けたのだが、このロッセリーニ作品は、イタリア・ネオレアリズモ表現の厳しさに心打たれることになる。
13世紀に活動した聖人フランチェスコと11人の弟子たちの布教のエピソードを綴ったキリスト教映画。史実の伝記ものではないので堅苦しさはなく、ユーモラスな逸話集のオムニバス映画の趣が、自然に映画の世界に誘う。主演のナザリオ・ジェラルディの演技が素晴らしい。ジェラルディ始めその他修道士は全て、役者ではない本物のフランチェスコ会修道士の人達が演じている。その素朴な演技に吸い込まれ、実在のフランチェスコを難なく想像してしまう。そんな淡々とした流れの中で、レプラ患者に遭遇する夜のエピソードと、ジネプロと暴君ニコライのエピソード、この二つの挿話が作品に深さと厚みを加えている。
日本では、デ・シーカやヴィスコンティが有名で、比べてロッセリーニ作品は鑑賞の機会が限られていた。「無防備都市」で衝撃を受けたもののまだ数本しか観てはいないが、ロッセリーニ監督の映画には、映像の本質を見極めたカットやシーンがあり、観ていてハッとする瞬間がある。この作品では、特にレプラ患者とすれ違うカットに息を呑んだ。

Gustav
talismanさんのコメント
2023年12月23日

Gustavさん、コメントありがとうございます。イタリア語は2015年から習ってます。初めが肝腎!と初期は複数のクラスに通いつつ集中しましたが今は週に一度の2時間授業で全然足りません。でも今のクラスは私が一番若くてトップは80代です。尊敬の気持ちでいっぱいです。イタリア語習うようになってからイタリア映画に関心持つようになりました。イタリアは映画、料理、お菓子、モード、音楽、芝居、芸術と山ほどテーマがあるのでいいなあと思います。男性はマザコン、それは確かに!ドイツ人男性のマザコンはほぼ居ないように思います。
イタリア語始めてから、イタリア人教師からは勿論なんですが、とりわけ日本人のイタリア語教師から映画のことをすごーく教わってとっても楽しいです

talisman
talismanさんのコメント
2023年12月23日

Gustavさん、ベートーベン情報ありがとうございます!やっぱり行こうかなあ!ウィーン・ミュージカルには心をつかまれます。ファンの女性の装いって独特ですよね。華やかでそのまんま舞台に、が可能なような。モーツァルトは見てないんです。今のところ一番好きなのは「レベッカ」です💕ここでやめときます。延々とお話ししたくなってしまうので。おやすみなさい

talisman
talismanさんのコメント
2023年12月22日

Gustavさん、私はイタリア映画のことはやっと近頃関心持つようになったので本当に無知なんです。だからこの映画を映画館で見ることができたのは豚に真珠です。でもイタリア語の先生にも、とってもいいから見た方がいいよと言われて見ました。本当によかった、という言葉が上っ面でどう言ったらいいかわかりません

talisman
talismanさんのコメント
2023年12月22日

Gustavさん、コメントありがとうございます。「ベートーベン」ご覧になったんですね!どうでしたか?ウィーン・ミュージカル、大好きなんです!

talisman
talismanさんのコメント
2023年12月22日

Gustavさんと感動した箇所が同じ!とても嬉しいです

talisman