劇場公開日 1976年4月3日

カッコーの巣の上でのレビュー・感想・評価

全56件中、21~40件目を表示

0.5ここまで政治にへつらう映画があったか

2021年11月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この映画は精神病院が舞台で、「精神病」の患者たちが登場人物ですが、製作者側は一言注意書きを入れておくべきでした。「精神病」などはこの世界に存在しないのだ…と。それがこの映画の世界観です。

精神病を否定すれば、精神病院の患者たちへの治療は監禁や拷問にすぎません。
だから道化役マクマーフィはこうした不当な処遇を告発するような言動をつねにしている。それは身近な生活上の管理体制を素材にして、映画製作当時の東側における監視社会の不当さを訴えかけているようにも見えます。

しかし、精神病の存在を否定できなければ、精神病院の患者たちへの治療は病気から自由になるために不可欠です。マクマーフィがしていることは単なる治療妨害であり、患者を自由から遠ざけるだけの話です。むろん、これが現実なのです。

このような歪んだ世界観を、製作者側に無理やりでっち上げさせたのは、いうまでもなく「東西冷戦」でしょう。そんな世界政治の構図の中で、西側陣営の象徴たるアカデミーに、半沢直樹じゃあるまいに土下座して映画を作って、「よくできたでしょ、褒めてよ」と言っているのが本作です。

…小生はいただけませんね。

追記)
その後、ネットの情報から本作の下敷きにミシェル・フーコーの狂気論があることを知りました。
その狂気論とは、「狂気とは理性と対の知の形だが、近代的理性が権力を握るのに従い、医学的管理の下に社会から見えない場所に追いやられてしまった。しかし、時代の制約から逃げるには狂気の全面的開放が必要であり、それを実行したのがゴッホやニーチェであった」というものです。

なるほど、理性と狂気の対立という構図ならわかるかも…と思って再見しましたが、狂気の全面的開放が港のクルージングや深夜パーティで、時代を変える予兆がチーフの脱走にあるとは、小生には思えませんでした。比喩として何も意味を受け取れない。
「狂気の歴史」を読破しなければわからないのでしょうか。ならば、それは一般の娯楽映画とは言わないでしょう。

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徒然草枕

5.0久しぶりに

2021年8月1日
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何度も観ましたが
久しぶりに観たくなって…
こういう映画…無くなってしまったな。
近年の映画は「アメリカ映画のセオリー」に則ったものばかり。
主人公は、共感重視。
無駄なく、味気ない。
エンタメとしてはそれが良いのかとも思うんですが
こういう雑多なエピソードが重なって行く映画も良いと思うんだけど。

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キョン

3.0何処かのんびり。

2020年12月20日
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再見。
辛口だが何処かのんびりしたお話しだ。
だがやはりどうもこのラストには納得がいかない。
彼が死ななかった場合のシャイニングの後日談と見るか。無理か。

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きねまっきい

4.0病院が病いを癒すのではなくむしろ病人を作り出していくところに恐怖を...

2020年9月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

病院が病いを癒すのではなくむしろ病人を作り出していくところに恐怖を覚えた。難しい題材だがユーモラスに感じる場面が多く救われた。結末はつらかったがチーフの存在が一筋の光となった。やるせないものの静かな感動が波打つ、心に刻まれる作品だった。

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tsumumiki

5.0大好き

2019年8月9日
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鑑賞方法:映画館

大好きな映画です。東京来て、これを名画座で見てから、真面目な映画(社会派映画)も観られるようになった。自分にとってのひとつの成功体験です。
DVDも買った数少ない映画。(愛する「スターウォーズ」すら持っていないのに)いつかちゃんとレビューします。

2019/11/21追記
masami さんに、「監督はチェコスロバキア(当時)出身だからか自由への渇望が感じられる」と教えてもらい、心底そうだなと思ったので、忘れないようにここに書いておきます。

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CB

3.5個人と体制との対立をシンボライズしているんだろうけど、も一つピンと...

2019年6月6日
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個人と体制との対立をシンボライズしているんだろうけど、も一つピンと来ない。婦長さんも自分の仕事をしているだけで、そんなに悪人には見えなかったし。

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もーさん

5.0人間の尊厳とは…

2019年4月22日
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30年くらい前の僕は、SFX絡みの洋画ばかり観ていたオタク寄りの少年であった。
そんな中本作に出会い、その人間の尊厳をえぐった内容に衝撃を受け、以降は人間ドラマは勿論、ジャンル問わず話題作は片っ端から観まくる、僕を真の"映画好き"にさせてくれた作品です!

いやー、本作のジャック・ニコルソンのような、廻りに影響を与えられるパワフルな人間になりたものだ…(もう立派なおっさんだけど)

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ヒロ

4.0自由への招待

2019年1月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

精神異常を装い刑務所の強制労働から精神病院へ逃げ出すことに成功したランドルPマクマーフィー。
院内の絶対的な権力の持ち主であるラチェッド婦長に人間らしさを奪われてしまった患者たちを目の前にし、反体制的な行動で仲間たちを奮い立たせんと戦ったマクマーフィーを描いた作品。

なかなか手を出せなかった一本。
名作の呼び声の高い作品だがどういった内容がわからずいざ鑑賞。
1969年の「イージーライダー」で注目されたジャックニコルソンがその6年後の今作で初のアカデミー賞を受賞したことでも有名のよう。

ラチェッド婦長の強権の下、規則に凝り固められた院内においてグループセラピーなど止めてワールドシリーズを観るべきだと主張したり、バスを強奪して魚を釣りに行くなどの過激な行動を繰り返すマクマーフィーは側から見ると序盤はただの問題児的存在だが、ビリーやチェズウィックさらには聾唖のチーフとの交流を通していく中で常に患者たちの中心にいる、なくてはならない存在のようになっていく。

脱獄の希望を諦めずに持ち続ける、その自由気ままな生き方に少しずつ変わり始める患者たち。
そんな彼らとの別れを惜しみつつ、送別会といわんばかりに始めた脱走決行前夜の深夜のクリスマスパーティーwithマクマーフィーの女友達。
翌朝まで泥酔して寝てしまうという笑えるポカの先に起きた笑えない悲劇の数々と変わり果てた姿になってしまったマクマーフィーに心動かされた1人の男が起こした行動に確かに胸と目頭が熱くなった。

解説ありきの感動になってしまったのは不本意だが、不気味な人物を演じる印象が強かったジャックニコルソンが不器用ながらも大きな器の男を演じる様に感動した。
名作。。

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オレ

4.5抵抗する権利と男性が追いかけるすべてに提出しない権利

2018年9月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

映画は精神の生き残りに向けて目覚しい賛美歌を形作り、逆境が何であれ、いつも自分自身を保存しなければならないと考える自由を再確認します。私たちがシステムによって挫折したとしても、私たちは自由に考え、自分自身を維持してください。偉大な監督の非常に大きな映画。それは、元の非典型的な存在を激しい慣習に沈ませようとしている機関の試みについての悲劇です。

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Fayçal

4.5中学生の心を揺さぶった映画

2018年8月16日
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泣ける

悲しい

興奮

友人に誘われて、初めて家族以外で見た映画だと思う。
中学1年生の自分にはとても難しい内容なのに、心が揺さぶられた思い出がある。
それは主人公の周りを巻き込んで行くダイナミックなキャラクター、自らの最後に自分の感情を吐露して、壁を破って旅立って行くチーフの姿に、これからの自分をダブらせたからだと思う。

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地元ワンダーランド

3.5ラストは切ない。

2018年3月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

終始楽しい映画でした。
みんな生き生きとして、
主人公が次に何をするだろうと
とても魅力的に映りました。
時代背景を知らないと
わからない描写があります。

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金のバロット

2.5名作なの? 大しておもしろいと思わなかったし、印象に残らない。

2017年11月12日
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名作なの?
大しておもしろいと思わなかったし、印象に残らない。

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へまち

4.0やっと観た名作・・

2017年10月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

ジャック・ニコルソン主演1975年の名作。精神障害の市民講座で講師の先生に薦められてやっとDVDを観た。いい映画だということは以前から知っていた。閉鎖病棟の日常と、精神病を装っている主人公と病棟の看護婦長との病棟内での闘いの映画。「人生とは命をかけた闘いである」と改めて知る映画。やはり名作である・・

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亮一君

4.0精神病院の人間ドラマを描いた作品で、今回は時代背景を知った上で鑑賞...

2017年8月25日
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精神病院の人間ドラマを描いた作品で、今回は時代背景を知った上で鑑賞しました。メッセージ性もあり、登場人物1人1人のキャラも良いので、非常に見応えのあるヒューマンドラマです。

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HaDoSon

4.0ジャックニコルソン独特な存在感❗️ ナース長もなんか腹立つ

2017年6月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

ジャックニコルソン独特な存在感❗️
ナース長もなんか腹立つ

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たか

3.0「正常」と「異常」を分かつこと

2017年4月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

知的

 「正常」と「異常」を分かつ線を引くことと、多数決をとるタイミングを決定すること、そのどちらもが「権力」そのものである。
 「多数決は常に民主的である」ということの欺瞞が映画でも喝破されている。たいていの多数決には、徹底的なデータ分析やロジックを掘り下げるという意味での議論は存在せず、ある特定の人(たち)によって、いつ誰によって決めるのかということが恣意的に決定されていくプロセスがある。
 また、その場の雰囲気や、自分に対して権力を持つ者の意向から自由な思考によって行動することは、たいていの人々にとっては難しい。
 映画は、精神病棟の看護婦長と患者たちという関係によってそのことの恐ろしさ、冷たさを表している。
 この婦長は患者たちのことを考えて、良かれと思うことを日々行っている。そして当然のように、いたって常識的で優秀な管理者である彼女によるイエス・ノーがこの病棟のルールでなのだ。
 恐ろしいのは、これが精神病棟特有の事態ではなく、ジャック・ニコルソン演じる主人公がここへ来る前にいた場所、つまり、どこにでもある普通の社会と共通の事態だということである。
 なぜそのようなことが言えるのか。
 なぜなら映画の冒頭で、彼がどうやら年端のいかない少女との性行為に及んだことが示されるが、このことが犯罪行為とされることについて主人公は納得していない。ここでも、何が犯罪とみなされ、どこまでがセーフなのかという線引きに彼自身は参画出来ない。つまり、彼は心底、自分のしたことの何が犯罪に値するのかについて納得していない。
 そして、犯罪者が獄中で期待される振舞いを無視する彼は、犯罪者のレッテルを貼った側にしてみれば、規格外の人間とするよりほかないのである。
 この規格外の人間の送られる先が精神病棟である。
 映画は犯罪者や精神病患者を隔離するシステムの内包する狂気を明らかにする。観客の覚える戦慄はこのことによる。

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佐分 利信

4.0ジャック・ニコルソンの演技

2017年3月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

難しい

まず、ジャックニコルソンの卓越した演技力に驚かされた。表情の切り替えなどが素晴らしい。彼が演じるマクマーフィの破天荒ぷりで、精神病院の患者の心が変化していく様子がきれいに描かれている。
不朽の名作と言われている理由がわかった気がする。

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ジンジャー・ベイカー

3.5悪役がお似合いですね、、、 さいごはなんだかモヤモヤして終わってし...

2017年2月27日
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悪役がお似合いですね、、、
さいごはなんだかモヤモヤして終わってしまった
とてもおもしろかった

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文た

5.0名作

2016年9月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

古い作品だけど、今も色褪せない名作。主人公と仲間達の特殊な友情が見どころ。とくにネイティブアメリカンの患者、チーフに注目!

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ノベル