カッコーの巣の上でのレビュー・感想・評価
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素晴らしいとしか言いようがない演技
刑務所から逃げる為に、精神異常を装って施設へと来た主人公。
しかしそこで見たのは不条理に患者達を抑制する実態だった。
嫌気がさして脱走を考えるが、不思議と共同生活をするうち「仲間」との関係が気になってくる。
そして周りも彼をきっかけに変化していく…
ジャック・ニコルソンとルイーズ・フレッチャーが凄いのはもちろんですが、他の登場人物 皆の演技がとにかく素晴らしい。
そしてストーリーも非常に考えさせられる作品。
衝撃的なラストシーン、飲み物を持つ手が止まり完全に画面に見入ってしまいました。
まさにこういう映画が自分の知らない世界を見せてくれて、日常において人との付き合い方を見直すきっかけになる。
映画史に残る不朽の名作!!
いやぁ、余韻が凄い……
映画が終わった後の拍手
生きる力を何度も権力に奪われる姿が心に響く
ここまで政治にへつらう映画があったか
この映画は精神病院が舞台で、「精神病」の患者たちが登場人物ですが、製作者側は一言注意書きを入れておくべきでした。「精神病」などはこの世界に存在しないのだ…と。それがこの映画の世界観です。
精神病を否定すれば、精神病院の患者たちへの治療は監禁や拷問にすぎません。
だから道化役マクマーフィはこうした不当な処遇を告発するような言動をつねにしている。それは身近な生活上の管理体制を素材にして、映画製作当時の東側における監視社会の不当さを訴えかけているようにも見えます。
しかし、精神病の存在を否定できなければ、精神病院の患者たちへの治療は病気から自由になるために不可欠です。マクマーフィがしていることは単なる治療妨害であり、患者を自由から遠ざけるだけの話です。むろん、これが現実なのです。
このような歪んだ世界観を、製作者側に無理やりでっち上げさせたのは、いうまでもなく「東西冷戦」でしょう。そんな世界政治の構図の中で、西側陣営の象徴たるアカデミーに、半沢直樹じゃあるまいに土下座して映画を作って、「よくできたでしょ、褒めてよ」と言っているのが本作です。
…小生はいただけませんね。
追記)
その後、ネットの情報から本作の下敷きにミシェル・フーコーの狂気論があることを知りました。
その狂気論とは、「狂気とは理性と対の知の形だが、近代的理性が権力を握るのに従い、医学的管理の下に社会から見えない場所に追いやられてしまった。しかし、時代の制約から逃げるには狂気の全面的開放が必要であり、それを実行したのがゴッホやニーチェであった」というものです。
なるほど、理性と狂気の対立という構図ならわかるかも…と思って再見しましたが、狂気の全面的開放が港のクルージングや深夜パーティで、時代を変える予兆がチーフの脱走にあるとは、小生には思えませんでした。比喩として何も意味を受け取れない。
「狂気の歴史」を読破しなければわからないのでしょうか。ならば、それは一般の娯楽映画とは言わないでしょう。
衝撃。
マクマーフィの破天荒なキャラクターのおかげで非常に
見やすかった。内容は濃厚だが、分かりやすい。
社会に馴染めないマクマーフィが仲間の希望の光となり、
元のカッコーの巣ではなかった
娯楽を強引に取り込み、婦長と対立しながら
仲間との絆を作り上げる。
病人にも分け隔てなく接するマクマーフィは現実社会では
アウトな人物でも、病院内では不思議と共感してしまう。
病院側との対立でマクマーフィの人間らしい足掻きから
だろうか。現実にこういう人がいれば、避けてしまう。
なのに映画になると共感してしまうのは不思議だ。
中盤〜終盤にかけてが素晴らしい。
カメラワークも全体像よりも表情を中心に撮る場面が
何箇所かあり、迫力のある映像に惹き込まれずには
いられない。散々楽しんだ朝、ビリーが自殺に追い込まれた
時にマクマーフィが逃げなかったのは仲間意識だろうか。
更に婦長の殺害未遂は彼の責任感からなのか。
序盤からチーフがよく映るので何かあると思っていたら
まさかクライマックスの主役を持っていくとは。
マクマーフィはロボトミー手術で人格を失った後の
チーフからマクマーフィへ愛ある殺害は衝撃だった。
チーフだけが脱出に成功したのは何とも皮肉だ。
最後に1つ、婦長の髪型どうなってるんだ笑
病院が病いを癒すのではなくむしろ病人を作り出していくところに恐怖を...
すごい映画
なんとも面白さは感じなかった。
人権は重要で、尊重すべきだと感じた。
上に立つ人間は謙虚でなければならない。
最後にロボトミー手術で人格が変わるのはすごい。
これは、本当に、すごい映画だと思った。
スカッとしたりモヤっとしたり
重いテーマながらもコメディタッチで、見ていて楽しい気分になった。ただ、最後はモヤっと感が残る。もっとハッピーなのが良かったけど、それではここまで評価される映画になってないだろうな〜
大好き
人権なんて、掲げられた大きな正義の前では、有って無いものだ
この作品の根本にあるのは、
「命ある全ての人の人権」だと感じた。
刑務所の強制労働から逃れる為、猫を被り、精神病棟へ移ってきたモクスリー。なんの罪を犯したのか、はたまた何かの精神病なのかは、作中では明らかにならない。主役の彼から伝わるのは、教師に反抗するヤンチャ学生のような、ずる賢く、ただ仲間想いで、人間味溢れる、憎めない人キャラクターだ。私もその一挙手一投足に見入ることになった。
前情報なく観ていた私は、「あぁ…これは心温まる、厚生ハッピーストーリーなのかー」なんて思ってた。
この映画はラストスパートの衝撃が強すぎる…
映画ってすごいよな…伝え手の妙により、こんなにも衝撃が、見ている人の脳への、考え方への、固定概念への衝撃が強い…
日頃、私たちが精神病患者に抱いている嫌悪感…それは精神病院目線であり、
1人の人として分け隔てなく接する、本当の平等な人権は…モクスリー目線にあると思う。
婦長の大変さに同情する場面もあり、
モクスリーの疑念の表情に共感する場面もあった。
十人十色、全てを受け入れるのは簡単では無い、
それでも皆、命ある人なんだ。だから大変で難しい。
ロボトミー手術が盛んに行われていた時代があったこと…
それを現代ならばおかしいと皆が言えること…
提唱することで、人類全体が、愛する人の一人一人が幸せになれるよう
この作品の根本にあるのは、
命ある全ての人の人権についてだと感じた。
マックの意志はチーフに継がれた。
ラチェットの厳しさはごく普通。有能な看護師という言葉にも納得のもの。ところがマクマーフィの脱走に同行した患者たちの楽しそうな表情を見ると、そうも思えなくなってしまう。ワールドシリーズを観ると言ってたけど、結局は自由が欲しかっただけ。外の世界を謳歌したほうが患者の治療にも役立つように思えてしまう。まぁ、元来、精神病院なんて患者の更生を促すよりも閉じ込めておくことが主となるんだから、こんな病院はどこにでもあると思う。
脱走が原因で、マックを刑務所に送り返すよりも病院に縛り付けることを主張することになったラチェット。舞台は精神病院であるが、普通の監獄モノのような展開となる。
カナダに逃げるためお別れパーティをこっそりと・・・と計画は吃音のビリー(ブラッド・ドゥーリフ)の童貞お別れパーティみたいな雰囲気となり、酒の飲み過ぎのためか全員寝込んでしまった。ビリーが母親だけには言わないでくれてと懇願するもののラチェットの厳しさのため、彼はそのまま自殺・・・なんと悲しい結果。
精神病院の実情が浮き彫りにされると同時に、自由を求める姿が胸を熱くさせるものの、自発的に入院している患者もいることがすんなり受け入れられない点。それでもチーフが重い水道を壊して脱走を図るエンディングはすがすがしいし、ヨットの上での楽しい思い出が患者たちのマックに対する想いを盛り上げてくれた。
クリストファー・ロイドもいいなぁ~
人間の尊厳とは…
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