カッコーの巣の上でのレビュー・感想・評価
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病院の中も外も、何も変わらない
常々、健常者はこの世にいない、みんな何か病気を抱えて生きている、そう思っていました。病院の中の人達は健常者と差異は無く、病院の外の人達も病んだ顔をして歩いている。何処の世界でも変わらず、支配する者、好んで支配をされる者がいて、秩序に膝を屈して、意志を捨てて苦痛に耐える人生を好むか。あるいは――自由とは、決して得難い物では無く、勇気を持って踏み出さなければ、痛みを恐れず突き進まなければ、得られない物――。
正直、如何にこの映画を捉えるか難しかったのですが、こんな所でしょうか。何か苦い物を感じて、お薦めしにくいところもありますが、とても良い映画だったと思います。
ひとりだけ「正気」な男、ニコルソン‼️
ジャック・ニコルソンのキャリアにおいて最高の演技を披露した作品ですね‼️作品としては「チャイナタウン」の方が好きなんですけど・・・‼️刑務所の強制労働から逃れるため、仮病を装い精神病院に入ったマクマーフィーは、権力の象徴である鋼鉄の女、ラチェット看護婦長の暴政に対抗し、患者たちと病棟の乗っ取りを試みる・・・‼️ロボトミー手術のシーンに代表される、管理、体制の恐ろしさが描かれた問題作なんですが、それと同時に「人間そのものの素晴らしさ」を訴える作品ですね‼️それを象徴するのがインディアン役のウィル・サンプソン‼️ひと言も口を聞かなかった彼が、マクマーフィーへの友情からついに喋り出す場面はホントに感動的だし、友情の証としてマクマーフィーの呼吸を止め、窓を破って森の中へ逃げていくラストは涙が止まりませんでした‼️ある意味ニコルソン以上の演技だったかも‼️
テーマが深い!!
よくレンタルビデオ店でオススメされているのを見かけて学生の頃観た。精神病患者がロボトミー手術されていた時代を描いた作品。
見終わって、
「 特殊な環境下での少し悲しい結末だったな〜、希望もあったけど……それにしてもジャック・ニコルソンって良い俳優さんだな〜。」
などと感心していた。ロボトミーなんて非人道的な手術が今は無くなって良かったなーと。
そして少し時を経て何かのきっかけでふと思う。
あの映画って特殊な過去の悲劇じゃなくて目の前の現実のことじゃないか!と
硬直化した病院側の「正常な」人たちが、人間らしく生きようとする「精神病(的)な」人たちを、薬などで正常に、正しく、矯正しようとする。
それに人間らしく反発すれば、問題児扱い。
自然な反発心など去勢し大人しく静かになれば矯正完了。あの病院が世の中だとしたら、「正しい」側の人たちが、人間らしく生きていこうとする 「自然な」人たちに施してくる処置は、何もロボトミーだけではく、常識、価値観、義務、考え方、道徳、etc…色々と現実に存在している。そう思うと、この映画が描こう、伝えよう、としているテーマがものすごく普遍的で重要なテーマであると直感した。
映画作品としても、オチまでのフリの効いた演出やジャック・ニコルソンの名演で、暗い映画ながらも見通すことができたし、若き日のバック・トゥ・ザ・フューチャーのドックも見つけることができて嬉しかった。
原作を読了してから、観てみると。
朝日カルチャーセンターの講座に、この作品が取り上げられ受講する。それで原作を読了してから、映画鑑賞してみた。日本公開時評判になり、またアカデミー賞をも受賞したが、まだ、鑑賞していなかった。
原作は500ページの長編小説で、刊行当時の流行(昭和37年)サイケデリック調の描写で読むのに苦労した。現在と違い、「精神病院」がまだ特殊な施設だった頃の話だ。今は統合失調症(精神分裂病)も薬で抑制できる時代となった。
原作は婦長の厳しい統制管理下にあった病棟に、ハックル・ベリーフィンのような大人の自然人が出現することによって、入院患者が自由を獲得して物語だった。
映画は纏まりが良すぎて、感動させてくれない。主演もジャック・ニコルソンも知的すぎて、自然児というよりインテリ左翼のように見えてしまう。
映画公開から50年近く経ると、環境変化で自然劣化してしまうのか、それとも私の感受性が衰えてしまっている事を痛感する。
原作では題名が一度だけ出てくる。カッコーの巣の上を飛んでいく鳥の描写だった。自由への憧れだと私は解釈した。
現代でもある日常
タイトルなし(ネタバレ)
評価が良かったので鑑賞🎥
昔の精神病院を舞台にした話。
とても考えさせられました
みんなが心を取り戻していく様子が
とても感動しました。
ラストがショックではあったけど、
すごくいいラストでした...🥲
そんなヒーローなりたかねーよっ
他のアメリカン・ニューシネマの中でもひときわえげつないbad endです。shockingです。抑圧され生気を失った精神病の患者たちを精力的な行動力で生き返らせるJニコルソン演じるマクマーフィー。そのヒーロー的な主人公は最後に拷問で無力化され挙句の果て同僚に絞殺される(尊厳死とは言え)。
どー受け止めたらいいんだろう? 世の中は不条理なもの? 悪は勝つの? やるせない余韻が2、3日残るこんな映画、もっともっと観たいです。
そんなに良い映画か?
ニューシネマど真ん中の映画だった
胸糞映画と取るか否か
やっと観れた有名作品のひとつ。
精神病院の話、という事しか知らない状態で鑑賞。
ジャックニコルソンが段々と周りに影響を与えていく様子が面白く、ハッピーかつハラハラさせる雰囲気でしたが、まさかあんな結末とは…
1人のワルが看護師長に怒られつつも、退屈な毎日を送っていた精神病棟の患者たちに新鮮さを与えていく!みたいなファンタジーで済ませてくれないところが良かったです。
最後に気になる女の子と一夜を過ごせた彼には、良かったねという思いと、でもこんな事をしなければ(バレなければ)生きられたのに…という悲しみとの半々の感情を感じました。
ママに報告、というただそれだけの事も、彼にとっては痛々しい自死を選ぶくらい重い罰だったんですね。。
患者一人一人のバックボーンも、物語の中で語られる少しのセリフや様子から予想。
想像の余地がある物語は面白いですね。
ゆっくりの流れの中に名作はある
当時のアメリカンニューシネマの代表作であると共に名作である。映画館では観ていない。未だ10代の頃テレビで観た記憶があった。それ以降少なくても1回は視聴しているがいつだったか思い出せない。今回は見直す為にレンタル店にてBDを借りて再度観た。名優のジャックニコルソンの代表作である。この作品により主演男優賞を受賞した。BDの特典映像を観て分かった事だがこの作品の元々の原作はカークダグラスが版権を買っていて舞台として演じていたらしい…。しかし余り人気は出ず数ヶ月でおわってしまった。そしてその息子のマイケルダグラスがその版権を元に映画化したようだ。
今回再度視聴して初めて気付いた点があった。それは吃音だったビリーが初体験をした後、吃音が治っていた事。これには驚いた!しかし婦長の厳しい叱責により又吃音になってしまうのです…そしてあの事件へと続く。なんとせつない事だろう…。。
人間の尊厳を問うた作品。当時のアメリカンニューシネマはお金を掛けずに良い映画を沢山出していた。その匂いはちょうど今の日本映画やフランス映画のような良質の香りがする。現在の米国映画はお金を掛け過ぎたステレオタイプの作品ばかり創っている。お金を掛けている為ヒットばかりを狙い派手に見せ掛けているだけである。そこは中身の無い作品ばかりである。そんな映画と違うアメリカンニューシネマを是非味わって欲しい。特に若い世代に観て頂きたい。現在の映画とは違い物語はゆっくり進む為、時として時間の経過が長く感じられるかも知れない…しかし現実もそんなに早くは進まないのだ。
人生の教科書
ついにチーフがマグマーフィの遺志を引き継ぐ
カッコウの巣の上に
考えさせられますよね
最後は自由を勝ち取った感じでスッキリ
(Rさん)
いまの世の中の縮図ですね
チーフになれる人は
まわりをみてもいないですよ
なので
映画でチーフが
マグマーフィの遺志を引き継ぎ
あの重い礎石をもちあげ破壊したとき
みな眠りから覚め起きて
感動している
このエンディングは見てる
観客も同じです
世の中の
曲がった制度に
従っている
だれも
勇気ある一歩は踏み出せない
ついにチーフは
変わり果てたマグマーフィではあったが彼と一緒に
カナダへ向かった
このエンディングは最高です
私達のいる処って…
何が凄いって、ジャック・ニコルソンの顔が凄い。「シャイニング」も、そうですけど、彼の顔見てるだけで感動してしまいそう。彼の顔の筋肉、どうなってんの。時の映画賞、総取りにするわけですね。
そんな彼の演ずるマクマーフィーも、また凄い。彼、誰に対しても、平等なんです。
できます?。全てのヒトと対等であろうとする。その一方で、婦長さん、ヒール張りまくりですが、実はリアルな世界では、婦長さんキャラで仕事するヒトが、俄然、圧倒する。きっと私も、その1人。自分ができることは、他者も出来て当然。出来ないヒトは、劣っている。そう思うと、自分と他者の間に、垣根ができる。マクマーフィみたいに、垣根レスにヒトと、接するのって、容易ではない。
但し、他者を見下す、他者に自分の価値基準を押し付けようとするヒトには、容赦しないマクマーフィ。その結果…。
この映画が公開され、映画祭で喝采を浴びて、ずいぶん経ちます。今の医療の現場、どうなのかな?。このクニでは「月」みたいな話がありましたけど。
タイトル忘れちゃったんですけど、確かイタリア映画で、精神疾患のある方を、ほとんど退院させる話がありました。不安になりますか?。何故、そんなことしたと思いますか?。かなりデリケートな問題なので、私から言及できませんが、邦画「くちづけ」とか、マンガ「ブラックジャックによろしく」あたりが、参考になると思います。
そもそも、「カッコーの…」ですが、これは、閉ざされた世界の、閉ざされたヒトだけのお話でしょうか。あるいは、私達、全員が当事者で、今、私達の暮らす世界の縮図として創られたのでしょうか。婦長さんになりたくないと思いながら、婦長さんと同じことしている自分が、いませんか?。
私達は、未だに、カッコーの巣から、飛び立っていないのかな?。
昔と今
仕事が医療従事者なので、この映画を観て思ったのが、今は良い時代になったなと言う事。現代は医療技術の発展だけではなく、考え方もだいぶ当時と変わり、患者主体の医療が行われるようになっている。
まず、割と序盤の方でなんの説明も無く良くわからない薬を渡されて、飲めと言われる。マクマーフィーはなんだかわからない物は飲みたくないと言う。現代ではこのマックの感覚のほうが普通だと感じるし、ああ言われたら医療者としては患者に隠さず説明をするのが当たり前で、説明無く飲ませることに違和感しか感じなかった。でも、当時は割と良くある話しだったんだろうな。
今では考えられないけど。
昔は患者よりも医者が一番偉いという風潮があったし、癌なんて病名を知らされずに治療を受けるなんて良くある話しだったわけだし。
でも、こういう映画などの功績もあって医療倫理という考え方が広まったのかもしれないと思うと、世に広く患者の権利や尊厳を訴えたという意味ではすごく意義深い映画だと思った。
なんて事を感じながら観た。
そういう視点から考えると、この映画の登場人物の中では、どうしてもマックが1番人間らしくまともに見えてしまうし、なのに人間らしさが乏しい人達の中にいたために、脳をいじられて人間としての大事な部分を奪われるという最後にはほんとに衝撃だったし、悲しさを覚えた。
周囲に好影響を与えていくマクマーフィの姿に感動
マクマーフィが仮病で入院した精神病院は、閉鎖的な空気が漂い、患者達もどこか人生に対する諦めが感じられるところだった。彼はそんな狭い世界に生きている患者達に、バスケや釣りを教えたり、頭の固い婦長の管理体制に抗議したりすることで、少しずつ患者達の意識を明るく変えていく。彼が患者達に人生の希望を見せる姿に感動し、心が温かくなる。
マクマーフィは他の患者達のことを「話も理解していない奴ら」等と差別的な表現をすることもある。しかし、それは彼が他の患者達を対等な人間として見ているからこそ、変に遠慮せずに率直に思ったことを言っているのだと感じる。そこに彼の精神病患者に対する差別心の無さが表れていて、人間的な器の大きさが見ていて気持ち良い。
マクマーフィを演じたジャック・ニコルソンの全力の演技も、マクマーフィの人間的な魅力を表現できていて素晴らしい。この映画を観てジャック・ニコルソンが好きになった。
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