「「古き良き南部」の崩壊の記録」風と共に去りぬ しげぴいさんの映画レビュー(感想・評価)
「古き良き南部」の崩壊の記録
「古き良き南部」
その時代の貴族的生活
そして戦争がその生活を一変させても
まだ土地を糧にしがみつこうとする
そんな嵐に翻弄される人々の姿が
実に生々しく心に残る。
おいらが注目していたのが
黒人の使用人たちの生きざま。
「ハックルベリー・フィンの冒険」には
「善良で愚鈍」と表現された黒人たち。
この映画でもその通りの印象を受ける。
一家に受けた恩恵を大事に思い
自分の意志を持つこともなく
ひたすら家のために奉公する
マミーやビッグサムの姿こそが
まさしく南部を支えているのだ。
家の言いつけを守らないスカーレットに
あれだけ言いたいことを言えて
窮地になれば身をもって助ける
その生きざまに南部の良心を観た。
この後その黒人たちは
各自の意志を持ち声をあげていく。
未だに階級による差別が残る英国と
実によく似ている南部の精神を
あからさまに示してくれたこの映画は
アメリカの一時代を克明に切り取った
やはり歴史に残る映画だと思う。
それにしても日本は
こんな映画を作った国と戦争したんだ…
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