カジノのレビュー・感想・評価
全42件中、1~20件目を表示
デ・ニーロとペシの絶妙に発火寸前の関係性が魅せるラスベガス一大絵巻
スコセッシ映画では時にデ・ニーロとジョー・ペシがタッグを組み、そこに第三者が入り込むことで黄金率が崩れて運命の終わりが訪れる。『グッドフェローズ』の第三者がレイ・リオッタだったとするなら、本作でその役目を負うのはシャロン・ストーンか。こうして三すくみ状態が出来上がることで、ラスベガスにてカジノ稼業を営み大成功を築いてきた男の転落劇が幕をあける。
ジョー・ペシの役柄は序盤からキレると誰にも止められない。早く厄介払いしたいのに、親友のデ・ニーロにはそれができない。で、そこに妻役シャロン・ストーンの本性発揮というか、最初は天真爛漫な美女だった彼女が、やがて金と薬物とアルコールで凄まじい怪物性をあらわにしていく姿は凄まじい。右はジョー、左はシャロン。かくして主人公の両足が思いっきり引きずり降ろされていく甘美かつ破壊的な崩壊劇が何よりの美酒だ。こういうの撮らせるとスコセッシは本当にずば抜けて巧い。
平板で淡々と描いているところか却ってスコセッシの持ち味か?
マーチィン・スコセッシ82歳。クリント・イーストウッド、リドリー・スコットに続く長命監督である。1970年代は「タクシードライバー」、80年代は「レイジングブル」「キング・オブ・コメディ」、90年代は「グッドフェローズ」と本作、21世紀になっても「ウルフ・オブ・ウオールストリート」「沈黙」、そして昨年の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」と大作、話題作を作ってきた。
蓮實重彦に言わせると「大した監督ではない」。それは撮影方法に凝らない、ショットでは勝負しないというところにあるのかもしれない。本作でも中盤、サムとニッキーが砂漠で会うところ、サムのサングラスにニッキーの車が映り込む「ディーバ」のような「らしくない」カットがあるが、全般にショットとしては平板な淡々としたフィルムが流れていく。
それでも3時間近く飽きずに観ることができるのは役者の力もあるが、企画(原作)の面白さと筋書き(脚本)の面白さがあるからに違いない。
70年代までのラスベガスがイタリアンマフィアの資金で運営されていた、支配されていたのは史実である。それは「ゴッドファーザー」や「バグジー」などの映画でも描かれている。本作が非凡なのはその街にイタリア系でないサムとニッキーが乗り込んで一旗揚げる、そして挫折する話であるところにある。つまりこれはスコセッシお得意のエトランジェ視点によるある時代、ある地方の叙事詩である。なおかつ、この二人はバディではなく、ラスベガスのいわば表と裏を代表しており、状況によって協力したり反目したりするところも面白い。またマフィアの支配の実態、つまりカジノの収益から「抜いた」お金を人が中西部のマフィアの拠点に運ぶシステムが精緻に描かれており面白い。このあたりの目の付け所というか、もちろん原作はあるにしても、監督としての面白がり方がいかにもスコセッシだよなと思う。
カジノ経営で才を発揮し楽園を築いた男の栄光と没落
午前十時の映画祭で鑑賞。
ロバート・デニーロ、シャロン・ストーン、ジョー・ペシ共演、マーティン・スコセッシ監督作品。
この映画も長尺ゆえに見逃していた作品で、ようやく鑑賞することができました。
冒頭、デニーロ演じるサムがキャデラックに乗り込みエンジンをかけたとたん爆発、というシーンからのオープニング。
サムの回想形式で、時にペシ演じるニッキーの回想を織り交ぜて描かれるラスベガスの光と闇。
見応えたっぷりの3時間でした。
実社会では関わりたくないが、映画で描かれる裏社会の世界は本当面白い。
予想屋だったサムがシカゴのボスからカジノ経営を任され、才能を発揮して売り上げを伸ばし、高級娼婦のジンジャーまで手に入れる。順風満帆かと思われたが、粗暴なニッキーがボディガードについたことから様々な問題が起こり、サムが築いた楽園が崩壊へと向かう。
サムが人間関係に悩まされたり、妻に悩まされたりするところは大いに共感できる。
ただ、一つ間違えると命を失うというところが表と裏の大きな違い。
ラスト近辺では口封じのため次々と人が殺されていきますが、オープニングで爆破で吹っ飛んだと思われていたサムが奇跡的に助かり生き伸びたというのが良かったです。
ジンジャー演じるシャロン・ストーンの美貌と熱演も光りました。
スコセッシ得意のマフィアもの デニーロ、ジョー・ペシ、ストーン俳優たちの魅力 ゴージャスなカジノの裏側
「午前十時の映画祭14」で鑑賞。
主演の3人、デニーロ、ジョー・ペシ、ストーンが魅力的。
危なっかしくて、最初から何が起きるかハラハラしっぱなし。
悪党だが、着実にのし上がろうとする主人公だが、この二人が足を引っ張りっぱなし。
相棒は、すぐに切れて暴力三昧。
さらに女が凄まじい。
金遣い荒いは、見かけがゴージャスなのにどうしようもないヒモ男に貢ぐは、挙句は薬と酒におぼれ悲惨な末路。
あげくは、悪党だが家族思いだった相棒も誘惑されて、こっちも哀れな最期。
カジノの内幕、組織の仕組みなども興味深い。
さすがスコセッシ、マフィアを描かせたら右に出る者なし。
絶えず目を配る必要がある
こないだ午前10時の映画祭で鑑賞してきました🎬
観るのは2回目ですが、重厚なクライム映画ですね🤔
サムを演じたロバート・デ・ニーロの敏腕経営者としての振る舞いは流石🙂
一方で妻ジンジャーへの甘さはある意味人間らしくもあり、デ・ニーロの存在感が遺憾なく発揮されています👍
ニッキーを演じたジョー・ペシも、後先考えない暴力的な人物を熱演🙂
作中でも言われている通り、考えるより先に手が出る男で、犯罪行為もなんのその。
しかしあまりにも派手に動きすぎ、警察からはマークされ次第に仲間うちからも…。
すぐにカッとなってまくし立てるシーンは、彼の性格を表してますね🖐️
ジンジャーを演じるのは、シャロン・ストーン🙂
男なら誰もが視線を送る美貌を持ちながら、アルコールと薬物依存という破滅的な状態の彼女。
サムとは打算で結婚した上、レスターというヒモみたいな男と関係を続けています。
後半は演技とは思えない演技を魅せてくれました🙂
スコセッシ監督のクライム映画は本当に完成度が高いですね🫡
このジャンルが好きな方にはおすすめです❗
中盤まではよかった
カジノの支配人と組織の要として動いている間はおもしろかった
様々な気配りとあの手この手で攻撃してくる輩からの防衛
それでいて周りを立てる
支配人として有能な面を様々な角度から見せてくれる
長時間の作品ながらテンポよく飽きさせない展開でおもしろかった
そこから一変
女絡みになったとたん一気にトーンダウン
どうなるかわかってしまう上にやっていることが他の映画で見たような痴話喧嘩がずっと続く
支配人としてそんだけ動けるなら先回りできるだろと、うまいこと宥めることもできるだろと
後半は女のことばかりな上にかなり雑
結局組織はどうなったんだよ
色々訴えられてたのもどうなったんだよとほぼ全て投げっぱなし
3時間もあるのにオチが弱すぎる
カジノの支配人としての映画が観たかった
何度観ても素晴らしい! マーティン・スコセッシ監督が贈る、かの名作『グッド・フェローズ』と双璧をなす傑作!
午前十時の映画祭14にて久々に鑑賞
1970〜80年代半ば、マフィアからラスベガスのとあるカジノを任されるが友人や嫁によって人生を狂わされていく男の栄枯盛衰を描く見ごたえたっぷりの骨太ドラマで3時間を感じさせない没入感、見事です
全編に渡って主役のロバート・デ・ニーロさんとジョー・ペシさん2人のモノローグが交互に流れ続ける演出が異色で斬新、字幕読んで・内容理解しながら・映像を楽しむ、を3時間が人によってはキツいかもしれませんね(笑)
そして、バイオレンス描写もかなりキテますので、これも苦手な人は多いかもしれません
本作も他のスコセッシ作品同様、キャスティングが素晴らしいです
この時代のロバート・デ・ニーロさんはやっぱりキリッとしていてすごくカッコいい、70年代カジノの責任者っぽくカラフルなスーツが印象的、そしてジョー・ペシさんのブッ飛びキャラクターを困った顔で見つめる表情が最高です
本作はなんと言ってもペシさんのブッ飛びのキレ演技が圧倒的、あの目つきが凄すぎる、とにかく終始『グッドフェローズ』を何倍をも上回る不穏とヤバさの演技に圧倒されます
そして本作でさらに輝くキャラクター、シャロン・ストーンさんの演技が圧倒的、前半はメチャクチャ綺麗だけど堕ちて行き始めたらとことんダメになっていく様が見事、後半のデ・ニーロさんとの夫婦喧嘩のシーンや車で家に突っ込んでいくキレっぷりも圧巻、素晴らしかったです
終始緊張感に包まれる3時間、観終わったとはドッと疲れがきましたが、とても気持ちのいい疲労感で今回も大満足でした
「カジノ」ではなくて「カッシーノ」と言うのが正しい映画のタイトルだ...
「カジノ」ではなくて「カッシーノ」と言うのが正しい映画のタイトルだが、映画のテーマはギャンブルでは無くて「結婚生活の破綻」だと思った。計算高くギャンブルの才能がある"エース"だが惚れた女がミステイク。人生を賭けた相手が大ハズレ。
映画で描かれてた様に当時のベガスのまわりの砂漠には発見困難な死体が沢山埋まってたらしい。
ネバダ州クラーク郡ラスベガス市は、モハーヴェ砂漠内に位置しており通称ベガス。
1931年にネバダ州がギャンブルを合法化してからカジノの町として急速に発展し、第二次大戦後の1946年にバグジー・シーゲルがホテルを建設し、カジノが収益を上げることが判るとマフィアが続々とホテルを建設するようになってから20年後くらいが映画の舞台。
モデルになった人物
"エース"=
フランク・"レフティ"・ローゼンタール
カジノ「スターダスト」(映画では"タンジール")の実質的なボスの座に就いていたが経営ライセンスの発給を受ける事が困難であったので雇われ社長としてアレン・グリック(映画では"フィリップ・グリーン")が表向きの社長を務めてた
"ジンジャー"=
ジェリー・マクギー
ベガスの古豪カジノのトロピカーナでレフティと出会いシーザーズ・パレスで挙式した
"ニッキー・サントロ"=
アンソニー・"トニー"・スピロトロ
レフティの出世に刺激されて自分もベガスに移り住み、レフティの築いた地上の楽園を崩壊へと導いていく
↓以下Wikipediaから
・「スターダスト」は、IBT(全米トラック運転手組合チームスターズ)の会長ジミー・ホッファが握る年金基金6200万ドルの融資を受けたアレン・グリックが経営した4軒のカジノのうちのひとつ
・原作者のニコラス・ピレッジは、レフティに取材を申し込んだが拒否され、後に映画化するにあたり、デ・ニーロが主演すると発表されるとレフティは喜んで取材を受け入れたらしい
・レフティらマフィア関係者の弁護を担当したオスカー・グッドマンは、彼本人が実名で演じている
・撮影に使われたカジノ「リビエラ」はモデルになったレフティの勤めていた「スターダスト」の向かい側に位置し 映画の中では「タンジール」という架空の名前になっている
・劇中で何度か描かれているデ・ニーロが乗ったキャデラックが爆破されるシーンは実際にあった出来事で、レフティ自身は奇跡的に助かった
・劇中に登場する日本人ギャンブラー"K・K・イチカワ"は、山梨県の不動産業兼貸金業『柏木商事』の社長・柏木昭男がモデルで、荒っぽい地上げで財を成してカジノでの賭けの積極さから「戦士」と呼ばれたが、1992年自宅兼事務所で何者かにメッタ刺しにされて殺害された
・レフティは1988年に過去の些細な犯罪歴が原因でベガスから追放されたが、後に本人曰く「変装して何度か行った」と告白している。2008年に78歳で死去。死後、彼と妻のジェリーはFBIに協力する情報提供者だったことが明らかになった
・シャロン・ストーン演じた"ジンジャー"のモデルのジェリー・マクギーは、薬物過剰摂取が原因で1982年にロサンゼルスで死亡
・映画では"リモ・ガッジ"と言う実在のジョゼフ・アイウッパは1986年に懲役28年の有罪判決を受け服役、89歳で出獄したが1997年老衰で死去
・"ニッキー"と弟の殺害シーンは、実際の事件を基にしていて、ある住宅へ呼び出され地下室で殴打された挙句に近辺のトウモロコシ畑で生き埋めにされ殺害された。この事件の実行犯ら14人が2005年になって起訴され、2007年までに有罪判決を受けている
・スターダストは2006年に営業停止
運営していたBOYD Gaming社の再開発プロジェクトが不況の影響で建設工事が中断し、2007年に爆破解体された
・17世紀に数学者が偶然のゲームに統計的秩序をもたらして、ギャンブルが発展して行き、オッズを知ることによってプロのギャンブラーが出て来る様になる
・1980年代前半まで、アメリカ国内でカジノが合法化されていたのはネバダ州とニュージャージー州だけだったが今は10州が合法らしい
・2024年大谷翔平選手の通訳をしていた水原一平氏がギャンブル依存症であることを告白し、大谷の口座から違法なスポーツ賭博の胴元に6億8000万円を送っていたとされる事件が発覚した
「午前十時の映画祭(14)」なのに9:30上映開始だった
名人
午前10時の映画祭、池袋グランドシネマサンシャインで鑑賞
めちゃめちゃ面白かった
マーティンスコセッシ名人の映画は、長ければ長いほど面白いんじゃないだろうか
3時間あっという間
冒頭からすごい情報量
モノローグと会話劇の応酬
登場人物も多いので振り落とされんなよ!
と見入っているいるうちに、物語の引き込まれ
編集、カメラワークもテンポいい
ほぼ全シーンで流れるサントラも大変センスがいいのだ
監督、当時この映画作ってて楽しかっただろうなあと想像してしまう
シャロンストーンのキレキレ演技も最高です
とても面白かった
全体的には喜劇の語り口だった。どんどん守りに入っていくデニーロと、直情的なジョー・ペシ&シャロン・ストーンの関係性の面白さでグイグイ引っ張られていく。3人が完全に拮抗しているのが素晴らしかった。裏社会の絶対に逃れられない暴力システムも、色々うまく行っていた過去への愛惜も、ヒットソングに乗せて軽やかに描かれて、心に跡が残らない感じがかえって切ない。3人の男女をめぐる時の流れをクロニクルとして語り、この読後感に至るためにこの長さは必要だった、と納得した。今回が初見だが、公開時の大学生の年齢で見てたら良さが分からなかった気がするので、大変有難い午前10時の映画祭だった。
利用する側しかいない
午前十時の映画祭にて鑑賞。
欲望渦巻くカジノを舞台に、持ちつ持たれつと言いながら皆己の利のために策略している。
重厚なストーリーの中、デ・ニーロのカラージャケットのバリエーションだけが愉快。
【”カジノの真なるボスは誰だ。”冒頭の強烈なシーンからスピーディなモノローグの中イカサマの数々とそれを見抜くシーンの。金、女、薬に嵌った男女が破滅する様をスタイリッシュに描いた逸品である。】
■類まれな賭博の才能をマフィアに認められて、ラスベガスのカジノ「タンジール」のマネージャーに抜擢されたサム”エース”ロススティーン(ロバート・デ・ニーロ)。
順調に仕事をこなし着々と”ボスたち”の信頼を得てのし上がっていくが、美貌の浪費家のジンシャー(シャロン・ストーン)を妻に迎え、気性の荒い35年来の旧友ニコラス”ニッキー”サントロ(ジョー・ペシ)との再会が、彼の運命を狂わせていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭の、サム”エース”ロススティーンが車に乗った途端の大爆発のシーンから、時は遡り彼が「タンジール」のマネージャーとして、のし上がっていくシーンのテンポ良き展開の面白さよ。
モノローグが流れる中、イカサマの数々を捉えるショットと、それを見逃さないサム”エース”ロススティーンを演じるロバート・デ・ニーロの眼に引き込まれる。
・序でに言えば、ラスベガスのカジノ「タンジール」の実質的ボスたちの意外なる姿や、彼らに金を届けるシーンなどは、絶品である。
・そんな、サム”エース”ロススティーンは超絶美女のシャロン・ストーン演じるジンシャーを口説き、妻に迎えるがこの脳味噌が足りない女は、金は使うは、昔の男レスターが忘れられずに、湯水のように金を使うは、果ては薬にまで手を出す様には、流石のサム”エース”ロススティーンも手を焼くシーンは、可笑しみすら漂わせる。
・更に今作を面白くしているのは、サム”エース”ロススティーン35年来の旧友ニコラス”ニッキー”サントロを演じるジョー・ペシの、憎めない小男のように見え乍ら、破天荒極まりない行為の数々である。
・ジンジャーとサム”エース”ロススティーンの関係が、憎悪に変わった後にジンジャーがニコラス”ニッキー”に助けを求めるシーンから、物語は更に面白くなっていく。
<FBIが乗り出してくる中、”ボスたち”は自分達の利権を守るため、それまで自分達に金を作っていた男達を次々に消して行くシーンも、どこかコミカルですらある。
今作は3時間越えの作品でありながら、全く飽きさせる事無く見せきるマーティン・スコセッシの手腕が炸裂する逸品である。>
華やかなカジノの裏側と男女の愛憎劇
有力者への賄賂、イカサマを行う客への暴力的な対処、ギャングとの付き合いといった、華やかなカジノ運営の裏側にある世界や、男女の愛憎劇が面白い映画。欲にまみれた人間達の姿とその末路を描いた今作は、『グッドフェローズ』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のマーティン・スコセッシ監督らしい作品だと感じた。これら2作品の主人公と比較して、今作の主人公のエースは、真面目で節度ある人柄なため、そこまで悲惨な末路は迎えていなかったところが異なっている。
中盤以降は、エースとその妻ジンジャーとの愛憎劇が面白い。ジンジャーは、付き合っていた男にエースの金を渡したり、彼の金を持ち出して逃亡しようとしたのを咎められて逆ギレする。エースの信頼を裏切った自身に非があるにもかかわらず、彼を責めるジンジャー。この彼女の姿から、状況を冷静に認識できず、他責性が強く感情を抑制できない馬鹿な女を上手く描き出せている。エースも彼女の表面的な美しさに囚われてしまったのが失敗だった。
エースを演じたロバート・デ・ニーロは適役だった。他の登場人物には無い貫禄があり、この役にぴったりで、彼の俳優としての実力の高さを感じた。
ベストオブオープニング(なんつう始まり方なのよ)
東宝シネマでリバイバル上映されるから絶対観に行くぜ🔥あのオープニングが好き過ぎて作品自体は6回くらいの鑑賞ですが、オープニングのデニーロの乗った車が爆破されて ブッ飛んでるデニーロをスローで映しながらのあの曲とか最高過ぎてそこだけは600回くらい見てます(笑) とは言え少し見るとついつい最後まで見そうになるくらい面白くて重厚な作品なので定期的に見ようと思ってます。
しかしあの長尺をダレる展開も無く最後まで引っ張るのは職人すね。
何故か激しく長い夫婦喧嘩が印象に残った。シャロン・ストーンの体当たり的な渾身の演技も心に刻まれた。
マーティン・スコセッシ 監督による1995年製作(178分)のアメリカ映画。原題:Casino、配給:UIP
カジノを舞台とする1人のギャンブラー・ロバート・デニーロの成り上がりと没落を、大河ドラマ的に描いていて、感動こそ少なかったが、とても興味深く面白かった。。
ギャング達が支配している世界だが、デニーロ演ずるカジノマネージャーは極めて、仕事に真面目で献身的かつ有能で、有力者の縁故であっても怠惰で無能力な人間が許せないという性格に、大いなる共感を覚えた。まあそのことで、地域で力が有る有力者の恨みをかい、職を失うことに繋がってしまうのだが。
妻とした妖艶な詐欺師シャロン・ストーンが美しくゴージャスなんだが、結婚しても決して自分にはなびかず、うだつの上がらない紐男(ジェームズ・ウッズ)にずっと貢いでいるのが、何とも悲しく皮肉。美しかったストーンだが、酒とクスリ依存となり、お金を求めて狂乱的な行動を何回も取り、デニーロの友人ジョー・ペシも誘惑して懇ろの関係となってしまう。また、小男で強そうに見えないペシだが、それだけに勢いのある激しい暴力が、逃げたはずの海外で生き埋めされてしまう末路とともに、強く印象に残った。
またやけに激しく長い夫婦喧嘩にも、かなり驚いた。スコセッシ監督の失敗した何回かの夫婦生活のいざこざを、ココに曝け出してるのか?なんて思ってしまった。最後にはどうしようもない嫌な女ということで、デニーロにもペシにも匙を投げられ、紐男とも喧嘩別れし、美貌もなくし薬中毒で亡くなってしまうシャロン・ストーンの渾身の演技が、心に残った。
監督マーティン・スコセッシ、製作バーバラ・デ・フィーナ、原作ニコラス・ピレッジ、脚本ニコラス・ピレッジ 、マーティン・スコセッシ、撮影ロバート・リチャードソン、美術
ダンテ・フェレッティ、衣装リタ・ライアック 、ジョン・A・ダン、編集セルマ・スクーンメイカー、音楽監修ロビー・ロバートソン。
出演
ロバート・デ・ニーロ、シャロン・ストーン、ジョー・ペシ、ドン・リックルズ、ケビン・ポラック、ジェームズ・ウッズ。
1970年代ラスベガスのカジノをめぐる欲と暴力にまみれた人間模様を...
1970年代ラスベガスのカジノをめぐる欲と暴力にまみれた人間模様を描いた骨太ドラマ。
ロバート・デ・ニーロが主演を務め、ジョー・ペシが相棒ニッキー、シャロン・ストーンが妻ジンジャーを演じた。
全42件中、1~20件目を表示