劇場公開日 1953年10月1日

「なかなか楽しめる、犯罪メロドラマだ。」飾窓の女 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5なかなか楽しめる、犯罪メロドラマだ。

2024年11月9日
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大学の助教授が、偶然出会った美女の部屋で、彼女の愛人を殺してしまう。助教授と美女は、遠くの森に、男の遺体を遺棄する。やがて助教授は、知人の地方検事から、見つかった遺体を、一緒に見に行こうと誘われる、、、。

1946年、フランスの映画雑誌が、本作を含む複数の映画を紹介したことで、犯罪映画の1ジャンルを指す「フィルム・ノワール」の始まりと言われる作品だ。

本作も、乾いた都会の空気を感じるし、ファム・ファタールが出てくる。最終盤のどんでん返しは、当時の倫理コード(ヘイズ・コード)のため、改変されたそうだ。ここは、おおいに好みが分かれるだろう。

男女の設定が、少し『七年目の浮気』に近いかも。救いようの無い窮地に追われた男女を、ミステリアスに描いていて、最後まで楽しめる。全編に渡って、とてもシャープで、強いサスペンスに満ちたメロドラマだ。

瀬戸口仁