「マーロン・ブランドはふつう」革命児サパタ よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
マーロン・ブランドはふつう
メキシコ革命の英雄の陰陽をエリア・カザンが描く。
カザンの作品はまだ数本しか観ていないが、これはそれほどには屈折した主人公ではない。「欲望という名の電車」のマーロン・ブランドの曲がり具合は凄かったけど、彼が演じる革命家サパタは屈折してはいない。むしろ、貧しく弱い者を想う真っ直ぐな革命家である。
権力や革命が善意から始まり、敵がいなくなれば自らが民衆の敵となる矛盾。民主主義や革命がそうした権力の矛盾とは無縁ではいられないことを映画は訴えかけている。
コメントする