顔のない天使のレビュー・感想・評価
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数奇な監督メル・ギブソン
アクションで人気を得た俳優がステップアップしていく過程で、まず乗り出すのが監督業。巨匠と呼ばれる監督でも、若いころに俳優をやっていたりと、この分野は地続きの印象がある。メル・ギブソンの監督作品としては、すごく地味なドラマだと思うが、スターを起用できず、撮影方法も、期間も、ロケ地も限られるとなれば、あとは、俳優の演技で見せるしかない。
おそらく、スタジオ側の要求は、メルが主役で、予算と期間がこれこれの条件でできるなら。というようなものじゃないかと想像するが、それにしては素晴らしい出来。
トム・クルーズのように、近年は、自身の主役作をプロデュースに回る俳優が主流だが、メル・ギブソンは、『ハクソー・リッジ』だったり、次の映画も戦争映画だったりと、精力的に、監督業をこなしている。
現時点で、クリント・イーストウッドに、興行的に、そして批評的に、太刀打ちできるのはメルしかいないんじゃないかと思う。プライベートでつまずくのはウディ・アレンも同じだが、ふり幅はメルの方がでかい。また名声に向かって上昇していく機運じゃないだろうか。
縁について考えることができた
メルギブソンの半分ヤケドした姿に「よくできてるな」と思ったぐらいで、何の印象も残らず過ぎて行った前半。
他の者が恐れる(嫌がる)中、なぜ一人の少年だけが親しみを持ったのか?
・誰でもいい、とにかく勉強を教えてほしいから
・変わった人なので好奇心で仲良くなりたくなった
この2つくらいしか浮かばなかった。
どんな関係性になるのだろう...そう思いながら続けて観ていた。
この場所で一生終えるのはゴメンだ、絶対合格してこの町を出るんだ! 再婚する母ちゃんなんて嫌いだ! そう思ってたのかわからないけど勉強熱心な子供と、交通事故で外見だけでなく心も傷付き人里離れたところで孤独に暮らす男の間で、年齢を超えた友情が生まれていく話でした。
私が感じたことは、親友って同級生だったり年齢が近かったり、趣味が一緒だったり似た境遇だったり...そうではなく、何かわからないけど自然に惹かれる魅力が相手にある人。近年主流になっているSNSとかメリットを優先する繋がりではなく、何でも話せる人なのかもしれません。そういう縁はどこに転がってるかわからないし、いつ訪れるかもわからない特別なもの。「自然体で生きる勇気」を映画から感じました。
もし問題視される人だったら・・・。
他の点では、そりゃこんな親じゃ家出たくなるのは当然だよ、別の子供も一緒に暮らしていくら親でも気持ち理解するのは無理でしょ! と思ってしまいました。
全体としてはラスト以外に引き付ける場面がなかったため「心が揺さぶられる」ヒューマン系に必要な要素は薄めの印象。
2回目の鑑賞はないかもしれないけど「縁」について考えられたのは観た甲斐があった。
海辺の景色は良かったですね。旅行に行きたくなります。
メル・ギブソン監督のハートウォーミング。 人を先入観で見てしまうこ...
メル・ギブソン、演技派に転向
総合:65点 ストーリー:65 キャスト:75 演出:70 ビジュアル:70 音楽:70
「マッド・マックス」などで派手な活劇俳優として売れてきたメル・ギブソンが、演技派を模索した作品だろうか。「いまを生きる」などとよく似た映画。家庭の問題があって自分の人生を変えたいと思う少年と、過去の不幸と現在の偏見に耐える孤独な男の触れ合い。派手に車を運転したり銃を撃ったりしなくても、少年とメル・ギブソンの演技だけでしっかりとした作品になっている。落ち着いた風景と音楽もあって雰囲気は悪くないのだが、もう少し彼らの心の交流や、不条理な社会の決定の後の物語の行く末を描いて欲しかった。そこらあたりはやや中途半端。
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