「数奇な監督メル・ギブソン」顔のない天使 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
数奇な監督メル・ギブソン
アクションで人気を得た俳優がステップアップしていく過程で、まず乗り出すのが監督業。巨匠と呼ばれる監督でも、若いころに俳優をやっていたりと、この分野は地続きの印象がある。メル・ギブソンの監督作品としては、すごく地味なドラマだと思うが、スターを起用できず、撮影方法も、期間も、ロケ地も限られるとなれば、あとは、俳優の演技で見せるしかない。
おそらく、スタジオ側の要求は、メルが主役で、予算と期間がこれこれの条件でできるなら。というようなものじゃないかと想像するが、それにしては素晴らしい出来。
トム・クルーズのように、近年は、自身の主役作をプロデュースに回る俳優が主流だが、メル・ギブソンは、『ハクソー・リッジ』だったり、次の映画も戦争映画だったりと、精力的に、監督業をこなしている。
現時点で、クリント・イーストウッドに、興行的に、そして批評的に、太刀打ちできるのはメルしかいないんじゃないかと思う。プライベートでつまずくのはウディ・アレンも同じだが、ふり幅はメルの方がでかい。また名声に向かって上昇していく機運じゃないだろうか。
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